虹 ページ21
相澤side
「さぁ？学生時代は確かに栗色だったね。そんなのコスチューム改良説だって考えられるだろ。」
「｢確かに！｣」
「えーじゃああの噂はデマ？」
「いぃや！私は信じるっ！」
今更だが、コイツらも色想のように立派なヒーローになるのか。けどどうか、ヒーローになるまで、俺より先にいかないでくれよ。
「先生？」
「……っ！色……あ…悪い、考え事をしていた。」
「先生も疲れておられるのでしょうか。」
「ごーりてきに休んでいきなよ〜先生！」
「ついでにカラーティックの話も聞かせてね！」
「おい…お前らそれが目的だろ。」
ギグっと芦戸と葉隠の動きが止まった。図星で、少し笑えるな。それにしても…さっき蛙吹の声かけでつい色想Aを思い出してしまった。
「カラーティックに会えたらなぁ。響香ちゃんは会えたらどうする？」
「ウチはやっぱ、色見てもらいたいな。カラーティックから見て、ウチの色は何色なんだろうって思うんだ。麗日は？」
「私も！みんなそうやんなぁ〜、気になりすぎる！」
今会いたいヒーローランキング3位ねぇ……まさかここまで上り詰めるとは思わなかったな。……いや、本人はただ自分の思う定義と共に、この世の小さなことを少しずつ救い続けているのだろう。
「相澤先生。先生って、カラーティックに似てないようで似てるわよね。」
「……そうか？」
「ええ、変わってるところも、でもちゃんとヒーローなところも、少しだけ子供っぽいところとか…。色に例えるとクリーム色とラベンダー色みたいな所かしら。」
「変わった例えだ、蛙吹らしくはないな。」
「ケロケロ、私が好きなヒーローのような例え方だもの。」
「お前も好きなんだな。」
「ええ、先生もそうよね？」
「…まぁな、立派なヒーローだ。」
アイツは今何をしているのだろうか。転んだ子供に絆創膏を貼ってあげているのか、思春期の中高生の相談にのってあげているのか、敵まで救ってしまっているのか。
俺はアイツの人生の1部にでもなれたのだろうか、そうなら嬉しいかもな。
「よし、少しだけなら話してやってもいいが…。」
「｢｢やったーー！！｣｣」
この話は、とあるヒーローがヒーローになる前の話。
彼女はこれからも、片手にパレットを持ち、自分という筆で、沢山の人を助け、沢山の色を使い、地球のキャンバスを彩っていき、未来に7色の虹でもかけるのだろう。
end
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紅葉桜(プロフ) - 過眠さん» ありがとうございます！しっかり伝わってて良かったです笑素敵な作品だなんて嬉しいです笑 (2020年5月10日 8時) (
レス) id: e8ee42e7f8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - 一気に読んじゃいました！！ヒーローの定義、夢主ちゃんの言葉ストンと自分の心に入ってきました。とても素敵な作品です！！！！ (2020年5月10日 4時) (レス) id: 0e313d130c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉桜 | 作成日時：2020年5月2日 14時
