朱 ページ3
『ん？』
曇った空を見ながらウトウトしていると、いきなり教室のドアが開いたのでそちらにゆっくり顔を向けた。重い瞼をゆっくりと開け、視点を合わせると黒い人がいた。
「おい、そろそろ帰…。」
『んー……相澤先生だ。』
視界のピントが合ってようやく脳が“相澤先生”だと認識した。よく見ると先生はこちらを凝視している？
『え、なになに？私の顔に何か付いてる？それとも顔色変？』
「いや…あぁ色想か。ちょっと理解するのに時間がかかった、悪い。」
『別にいいよ、私も滅多にこういうのないからさ。自分でもなれないんだよねー。』
「そう…か。」
もう雄英高に来て3年が終わる。あとは卒業テストと卒業式を控えるだけ。気は抜けないけど3年間があっという間で寂しくなる。
『先生はここに何しに来たの？』
「あぁ置き忘れた書類を取りにな。」
『ふーん。』
色のない返事をして再び窓に目を向けた。次第にどんどん雲行きが怪しくなって、雨が降ってきた。はぁ、帰れなくなった。
『先生雨男？』
「は？」
雨はどんどん強くなって…え、マジ？土砂降りの雷くそなってんだけど。まださっきの方なら帰れたけど今はガチで帰れなくなったんだけど。こんなことになるなら花たちと出れば良かった。
『先生、私運悪いんかな。なぜ災害レベルぐらいの天候になってるんだろ。』
「日頃の行いを見直したらいいんじゃないか。」
『え、酷くない？』
「お前はもう少し年上を敬う気持ちはないのか。敬語とか…。」
『んーやだね。』
敬意はあるんだよ？でもだからって敬語を使わなくてもいいんじゃないかな。というかそういう堅苦しいのってなんか縛られててイヤな感じするんだよね。
まぁ敬語で緩く話す人もいるけど私はみんなに同じ言葉を使いたいかな。だって人によって対応を少しでも変えたくないからね。
流石にこれから使わないといけないときもあるから絶対に使わないとは言わないけどさ…ほら、ヒーローなら潜入でもなんでもね。
例え注意されても、これが私自身の自然体だから変えられたくないし、変えさせない。まぁ考え方は自由だから否定しないけどね。
『だって自由に生きたいから。』
「……お前のそういうところは褒めようか迷うな。」
『いや迷わないで褒めてよ。』
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紅葉桜(プロフ) - 過眠さん» ありがとうございます！しっかり伝わってて良かったです笑素敵な作品だなんて嬉しいです笑 (2020年5月10日 8時) (
レス) id: e8ee42e7f8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - 一気に読んじゃいました！！ヒーローの定義、夢主ちゃんの言葉ストンと自分の心に入ってきました。とても素敵な作品です！！！！ (2020年5月10日 4時) (レス) id: 0e313d130c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉桜 | 作成日時：2020年5月2日 14時
