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参拾捌ノ物語 ページ42

「和の呼吸 漆ノ型 平和の警鐘」



キンッ



甲高い音が広い空間に響きわたる。



「ヒュー…ヒュー……。」



夢なのに肺が苦しい。



何度斬ろうとしても斬れない。



何度も色んな技を使い続けた。



「和の呼吸 陽ノ舞 暖陽溶雪!!」



溶けない、斬れない。



感覚的には丸1日斬り続けた感じがする。



腕に力が入らない。



頭がクラクラする。



「ゲホッゲホッ!!」



夢なのに不穏だ。



血なんて見たくないのに。



すると、何か聞こえた。



それは、もう1人の私が戦っていた方から。



そういえばどうなったか頭から外れていた。



そこには、()が1人、こちらに背を向けて立っていた。



?「心あてに折らやば折らむ初霜の
置きまどはせる白菊の花……。
貴方も白い菊と共におってやりましょうか?」



こちらを向かれた。



これは夢だ。



なのに嬉しい。



アレは私じゃない。



?「あぁ、久しぶり。A。」



「し、師範!!」



今すぐにでも抱きつきに行きたい。



この鎖が邪魔で行けない。



しかし、私の目の矢先にいるのは紛れもない、師範だ!



師「まぁ落ち着きなさい。
……そうですね、貴方も句を読んでみてはどうでしょうか?
私が叩き込んだので言えるでしょう?」



「…………。
わびぬれば今はたおなじ難波なる
みをつくしても逢わむとぞ思ふ」



涙を流しながら言った。



夢なら覚めないで欲しいほどだ。



師「思っても思わなくても、その鎖を斬らないと覚めませんよ。」



「な、何故知っておられるのですか?」



師「さぁ、どうしてでしょうかね?」



クスッと師範は微笑む。



師「貴方がさっきまで見ていたのは、貴方自身ですよ。
ここは……そうですね、精神と言っても過言ではないでしょう。」



「せ、精神ですか。」



私自身を見ていた?



え、どうゆうことになる?



師「じゃがいもの芽を食べやがっていた野郎がねぇ……貴方の本体はもっと特訓が必要ですよ。」



そ、そうですよね……。



「師範、私にはどうしても鎖を斬ることが出来ません…。このまま私は精神に囚われてしまうのでしょうか。」



師「……さっきからずっと貴方を見ていましたが……貴方は基本を使いませんね。」



「え、基本ですか……でもあの技ではこの鎖を……。」



師「壱ノ型はその呼吸の全てです。
貴方と比べれば……そうですね、天と地との差は断然ありますね。」



「泣きたくなりました、師範。」

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ひなだん - めっちゃ面白いデス^^楽しみにしてま(゚ω゚) (2020年2月15日 21時) (レス) id: 525a103bc8 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉桜(プロフ) - ただの絵描きさん» ホントに何度もご迷惑をお掛けしました。はい!頑張りますっ!! (2019年11月10日 16時) (レス) id: e8ee42e7f8 (このIDを非表示/違反報告)
ただの絵描き(プロフ) - また読めて嬉しいです!更新頑張ってください! (2019年11月10日 13時) (レス) id: ecc065cc09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉桜 | 作成日時:2019年11月10日 7時

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