【イナイレ】信じるココロその8！ (ページ36)

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374話ページ36

鬼道side

Aが走り去っていくのを見ながら、俺の心のもやもやは増していった。

…なんで不動を庇うんだ……

あいつは、お前の事を真っ先に疑った奴なんだぞ…

そんな負の感情が俺の心の中にあった。

Aが去っていくと、不動が「はっ」と笑いだした。

不動「なんだあいつ……俺を庇ったつもりかよ」

佐久間「不動！お前……っ！」

不動「俺は別に頼んでない。お礼を言う義理もねぇだろ」

不動は俺達に背を向けると「じゃあな～せいぜい頑張れよ」と手を振りながらどこかへ歩いていった。

円堂「不動……」

佐久間「ほっとけよ、円堂。
…Aちゃんには悪いが、俺はいまいちあいつを信用できない。鬼道はどうなんだ？」

鬼道「…俺も、まだ信じられるかわからない。不動の行動を見ていると信じられないという気持ちが強くなってくるからな。だが…」

佐久間「……Aちゃんにさっき言われたことを思うと、やりすぎたって感じるんだろ。俺もそうだよ……不動をちゃんと見てないのに、俺は決めつけたんだ」

…そういえば、前もこんなことあったな。

エイリア学園の最終戦間際で瞳子監督がヒロトのお姉さんだと分かった時、みんなは「スパイだ」って信じなかったけど、Aは最後まで信じてたな。

…あいつはちゃんと人の事を見ているんだな。
悪いところだけじゃなく、良いところもちゃんと。

暗い空気を吹っ飛ばすように沈黙を破ったのは円堂だった。

円堂「…とりあえず、Aを探さないとな！明日のフィディオ達の代表選にも響くしよ」

フィ「……いや、俺達は俺達で戦う」

円堂「え？」

フィ「気持ちは嬉しいけど、やっぱりこれは俺達オルフェウスの問題だ。Aの優しさを無駄にするのは残念だけど、これは俺達がなんとかする……そう、Aにも伝えておいてくれ！頼んだぞ、守！」

円堂「え、ちょ…待てよ、フィディオ！」

Aへの伝言を言い残し、フィディオはこの場を去った。

佐久間「…Aちゃん探すか」

円堂「…ああ……でも、いいのかな…」

鬼道「気持ちはわかるが、今はそっとしておいた方がいいのかもな……あまり変に突っ込むと余計なお世話になるぞ」

円堂「……」

円堂は無言でうなずいた。

A……

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