【イナイレ】信じるココロその8！ (ページ12)

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350話ページ12

Aside

翌日から対アルゼンチン戦に向けて練習がスタートした。

私はいつも通り、みんなの練習の様子を見て戦力を見るわけなんだけど。

A「……」

私自身、身が入ってない。
アルゼンチンは守りがすごく強いって監督から聞いてるし、戦い方も、映像を見てなんとなくわかった。今の状態じゃ勝つのは難しいって事も、重々に承知してる。

でも、それでも身が入らないのは……

『オルフェウスの監督が姿を消したわ』

あの事が気になるからで。昨日の夜もあんまり寝れてない。

休憩に入り、秋達がドリンクを配りだした。

鬼道「鉄壁の守りをどう崩すか―――」

ふと、有人の声が聞こえてそっちを向けば、佐久間と今後の試合について話していた。

……やっぱりダメだ。

あんなに楽しそうに、真剣に…サッカーをしている有人に…
真実なんか、話しちゃダメだ。

A「…私だけで何とかしなくちゃ」

もう有人に会わせちゃいけいない。

そう思ったらすぐ行動した。春奈と秋に「監督の所に行ってくる」と伝え、久遠監督の所へ向かった。幸い、監督の近くには誰もいなかった。

A「監督！」

久遠「どうした」

A「…話があるんです。場所を移動してもいいですか？」

久遠「…わかった」

人気のない、宿舎の裏に移動し、監督に夏未から聞いた事を話した。

久遠「それでお前はどうしたいんだ？」

A「…アルゼンチン戦の練習は、午前中だけ見ようと思います。それで午後に…」

久遠「俺はそれでも構わない。お前は瞬間的に観察し、相手の欠点を見つけるのが得意だと鬼瓦刑事から聞いているからな。だが……そんなことをしたら逆に怪しまれるんじゃないか？」

A「……」

久遠「昨日も相当、鬼道に怪しまれてたぞ」

A「えっ…」

なんで…？
そんな怪しまれるような素振りしてないのに…

A「でもっ、今やらないと…今のうちに止めないと……あの人は何をしてくるかわからないんです！…そのせいで、前は有人だけじゃない、雷門のみんなにも迷惑をかけた。それにこのチームには佐久間も不動もいるんです。本当に何をしてくるか……だから……」

久遠「その気持ちは分からなくもないが、お前が動いたことで、あいつらに被害を加えることになるかもしれない」

A「そ、れは……」

確かにそうだ。

今までだって私は止められなかったのに、今回止められる保障なんてない。

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