陰キャだけどモデルです。4

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先『Aさんは記憶喪失です。』






記憶喪失…。






先『ただ、一時的な物ですので、早くて一週間、遅くて何ヵ月か、と思われます』





『Aは必ず記憶が戻るんですか？』





その質問に先生はゆっくり頷いた。




陽子ちゃんと一緒にAのいる病室に戻った。




A「おかえり〜……」





僕の顔を見るとAは嫌そうな顔をした。





ま「…っ」





そんな状況、耐えられるわけないだろ。





僕は逃げるように病室から出ていった。





病院の外に出て、近くにあった椅子に座る。




これから、どうしたらいいんだろう…。





じわり、と涙が出る。






必死に涙を拭っていると頬に冷たい何かが当たった。





ま「！！………そらる、さん」






そ「たまたま外に行ったらお前がいたから…」



そう言いながらもそらるさんの額は汗をかいていた。




ま「…僕のこと、探してくれたんですか」





そ「あれ、ばれちゃった？病室に戻ったらまふがいなかったから…。ちょうど、話したかったし。

…あ、これ渡すの忘れてた」




そう言って水の入ったペットボトルをくれた。





ま「ありがとう、ございます」






そ「ん」



しばらく無言だった。





だけど、その無言が僕には優しかった。









"泣いていいんだよ。"





そんな風に捉えることもできた。







我慢できなくなって、ついにぼくはそらるさんに言った。






ま「そらっ、さん………僕泣いていいですか」





そ「いいよ」







そらるさんの言葉が、手つきが、




.









.




優しくて僕には少し、もったいなかったかな。

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