さん ページ3
キーンコーンカーンコーン
いつもと変わらない朝
そとは桜が綺麗に舞っている
私｢はぁ…｣
私は深いため息をついて机に顔を伏せて寝る
昨日の一件からずっと女子は私を見ている
人の視線が痛い…
女子｢あのぉ？｣
一人の女の子が私に近づいて話しかけてくる
私｢はい？｣
女子｢キヨ先輩とはお知り合い？｣
私｢いや、全然。｣
女子｢あ、そうなんですね…あ、その…私の頼み事を聞いてくれますか？｣
私｢え、はい…｣
その女の子は顔を赤らめて手紙を私に差し出してきた
私｢これは…？｣
女子｢これを…キヨ先輩に渡してほしくて…｣
私｢自分で渡した方が…｣
女子｢お願い！！！｣
そういって私に深いお辞儀をする
ここで断ったらあとでいろいろ言われそうなので私はそれを引き受けることにした
女子｢ありがとっ！！！｣
そういってその女の子は教室を立ち去った
私はその手紙をポケットに入れてキヨ先輩を探す
と、思ったらあっさり見つかった
キヨ先輩は裏庭のベンチに腰掛けて寝ていた
私｢あのー、キヨ先輩…？｣
キヨ｢…ん｣
キヨ先輩は寝ぼけた顔でこちらを見る
私｢あの、実はこれを…｣
そういってポケットに入れておいた手紙をキヨ先輩に渡す
キヨ｢俺、そういうの受け付けないから。じゃ｣
と、ベンチから立ち上がって歩き出す
私｢いや、これは私のじゃなくて…｣
先輩は聞こえぬふりをして歩きつづける
私｢キヨ先輩…もらってあげてください…｣
私｢………せめて読んであげてください！！｣
先輩がこちらを振り向く
キヨ｢そういうのも自分で渡せない人になんの価値があるの？｣
私｢これを書くことに価値があるんですっ！これを書ける勇気が彼女にはあるんですよっ！私にはわからないけどどれくらい悩んで書いたと思ってるんですか？！｣
キヨ｢知りもしないで…まぁとにかく俺そういうの無理だから｣
なんて悪魔な先輩なんだ…
この手紙を読んであげるくらいしてあげれば良いのに
私は自分の教室に戻ってこの手紙の主を探す
女子｢あのぉ…ちょっと｣
手紙の主が私に手で合図をして空き教室に誘い込む
女子｢なんかごめんなさい…｣
私｢え？｣
女子｢全部見てたの…。ありがと…やっぱりフラれるとは思ったけどこんなあっさりなんて…｣
目に涙を浮かべている彼女の背中そっと揺する
そうしたらその子は大泣きして地面に泣き崩れた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*りんご頭*(プロフ) - みくに☆さん» わぁぁ！！ありがとうございますっ！！ (2016年7月20日 21時) (
レス) id: 728b1fcbf5 (このIDを非表示/違反報告)
みくに☆(プロフ) - こんにちは！いつもこの小説を読んで癒されてます(*^-^*)これからも頑張ってください！！ (2016年7月19日 21時) (レス) id: 4ef569fec8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：*りんご頭* | 作成日時：2016年4月13日 23時
