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Ryuji side
♪〜誰よりも好きなのに誰も知らな…
「すいません、もう1回お願いします。」
何回歌っても高音が出ない。
最初はそれだけだった。
でもだんだん声を出すのが辛くなってきた。
臣と2人でレッスンしてるけど、俺で止まるから臣に行くのに時間かかるしほんとに迷惑ばかりかけてる。
「隆二、お前そろそろやめといた方がいい。」
息を吸ってまた話し始める。
「隆二、このまま歌ってたらほんとに声出なくなるからな？
お前の事だからもっと歌わないととか思ってんのかも知んねえけど。
隆二の声無くなったら俺1人じゃ何も出来ないから。」
言い方はきついけど言葉は優しい。
それが臣。
「ごめん。」
そう甘えて家に帰ったけど、考えるのはこの前のこと。
Aちゃんとご飯に行く少し前から声が出にくくなっていた。
完全に弱気になってもう無理だって。
Aちゃんに甘えていつの間にか言葉にしていた俺の気持ち。
「軽い男だって思われたかな…」
また俺は弱くなる。
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作者名：さくら | 作成日時：2017年2月28日 19時
