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Ryuji side
淡々と話すAちゃん。
お母さんがもしそうだとしてもAちゃんがそうだとは限らない。
俺はそう思った。
「お酒ってほんとに怖いんです。
人を騙す道具にだってなる。
人の関係だって崩れることもあるんです。
だからあんまり人と深く関わることも避けました。
今がその結果です。」
初めて自分のことを話してくれた。
「壁なんて作らなくていいんだよ。」
無意識に言っていた自分。
Aちゃんの方を見ると頬に一筋の涙。
「え、Aちゃん？
俺なんか言った？」
今まで1度も感情を見せなかったAちゃんが涙を流しているところを見て少し嬉しくもなった。
「嬉しいです。
こんな話しても幻滅されるだろうって。
どうせまた同じこと思われるんだろうなって思ってたから。」
「お母さんがそうだからってAちゃんがそうだとは限らないでしょ？
それにみんなAちゃんが好きだから、守りたいから周りに居るんだよ。
だれも幻滅なんかしない、Aちゃん悪いことしてないでしょ？」
「今市さん…」
「無理に1人で抱え込まなくたっていいんだよ。
みんないるんだから｣
「ありがとうございます」
そう言って今まで見たことないくらい大きな笑顔を見せてくれた。
今日は
俺がAちゃんを本気で好きになった日。
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作者名：さくら | 作成日時：2017年2月28日 19時
