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楽屋に残った私と今市さん。
「Aちゃんって仕事熱心だよね」
なんて急に褒められるもんだからびっくり。
「今市さんみたいに歌が上手いとか取り柄みたいなの…全くないから。
仕事くらいは一生懸命やらないとって。」
褒められると嬉しいタイプ。
なのにこんな嫌な言い方しか出来ない自分が嫌になる。
「やっぱAちゃん面白いよね笑｣
「へっ？」
思わず出た間抜けな声。一気に恥ずかしさがこみ上げる。
「なんかいつも気になっちゃう。」
何言ってるのこの人。
「あ、終わった？」
私の頭の中は " ？ " で埋め尽くされてるのに
普通の今市さん。
1人だけ混乱してる自分バカみたいだ…
「そろそろ行こっか〜」
みんなもう呑んでるかな？健ちゃんもう呑んでたら潰れてそう。
笑いながら私に話しかけてくれる。
話しながら事務所から歩いて数分。
「あ、そこです。」
2人で中へ入っていくと料理だけが並べられてる。
「A達来るまでちゃんと呑まないで待ってたんだよ〜偉いでしょ」
得意げにそう話す菜々子。
その話し方がもう酔ってるみたい…笑
「ごめん遅くなって。
頼んでいいよ全然」
「はーい、Aは烏龍茶だよね？」
優梨が当たり前のように話す。
「え、Aちゃんお酒呑まないの？」
目を出丸くして質問してきた今市さんを
「そうなんですよ〜A呑めないんですよ」
困る私をカバーする菜々子。
みんなごめんなさい。
"呑めない" んじゃなくて "呑まない" んです。
あんなことにはもうなりたくないから。
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作者名：さくら | 作成日時：2017年2月28日 19時
