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日記帳に一滴の水かこぼれた
それが自分の涙だときずくころにはもう止まらなくって、そっとその日記を抱きしめる
思い出した、思い出したよ
「A、A」
彼女の、僕が心から愛した人の名前
《零君、、私、生きていたいよ》
絞り出すようなAの本音が、頭に浮かぶ
アイツは絶対に生きてる、信じるんだ、大丈夫
日記を片手に自分の部屋に戻り、引き出しにあった指輪を取り出す
「自分で渡したのにつけないのは最低だな」
内側にAと、ローマ字で掘られたシルバーの指輪を指にはめる
最後に彼女にあった日に飲んだバイオレットフェイズには噂の凛音が作った記憶を消す薬でも入っていたんだろう
彼女のことは忘れない、もう絶対
あのカクテルが、Aの意思そのものだったならなおさら
日記帳を片手に、その部屋の掃除機をかける、そしてさっき作ったオムライスとオレンジジュースを机の上にあげる
「さっさと帰ってこい、出ないと冷めるぞ」
そう言い残し、部屋を出た
「ハロ、寝よう」
愛犬を抱っこして寝室に向かい、そのぬくもりを感じながら深いい深いねむりについた
〜A
『こんばんは!』
「莉桜ちゃん、いらっしゃい、学校が帰りかな?」
『うん!』
あれからほぼ毎日、私はポアロに通っている
『今日は緑川さんもいるんだ!あと、彩希お姉ちゃんも!』
「「う、うん」」
こらこら、気まずそうにするでない
「いつものでいいかい?」
『ブホッ!、、うん、お願いします』
透君にはいまだに慣れないどうしても笑ってしまう
『あの、あの零君が、笑顔振りまいてる!』
「お姉ちゃん、それ以上言ったら死ぬよ!(経験済み)」
ちなみにちゃんと小さな声でしゃべってますよ
「あ、唯君アイスココア一つ!」
「はいよ!」
んでこっちはこっちでバカップルなこった
「はい、オレンジジュースにオムライス、あとおまけの甘さ控えめパフェ!」
『わー!ありがとう!』
んでこっちは一ミリも気を持ってくれないんだよなぁ
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作者名:リンネ x他2人 | 作成日時:2023年6月24日 10時