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『ごめんなさい』



そのまま彼の顔を見ずに部屋に戻る、部屋のドアを閉めて一人



声を上げずに静かに泣いた







―――――――――――――――



朝起きて、キッチンへ向かう



いつもどうり朝食だけが置かれていて、前のような置手紙は、ない



ぼんやりとお皿を見つめて少し、私はそのお皿を冷蔵庫に入れ、代わりに非常食のグミを口に含んだ



あれ以来、零君と会話をしていなかった、組織のことで顔を合わせることはあっても、目は合わせないまま、まったく会話をせずにいるし



そういえば、ちゃんとしたご飯を食べなくなったのもそのくらいからだっけ



いつもどうり家事を終わらせてから窓を見上げる



『天気いいし、お散歩にでも行こうかな?』



そんな無意味なつぶやきをしてからいったん部屋に戻る



黒のワンピースではなく、黒のセーターとロングスカートを身にまとい、髪は高く一つに結う



『行ってきます』



「行ってらっしゃい」も「気を付けて」も聞こえない、当たり前か



思いのままにぶらぶらしてみよう



「はんちょ―――」




そんな凛音の声がどこからかして、見てみるとやっぱり凛音がいる、ん?車に突っ込んでる?



ドン、という音とともに凛音が、班長と呼ばれる伊達航を突き飛ばしていた、それもそのはず、車が突っ込んできていたのだ



さっすが凛音



そのまま凛音はその人たちと二言三言しゃべって帰っていった、いやでもさぁ



『凛音、カバン忘れてるし』



こんなんが公安でいいのかな?と思いつつも警察が群がり始める前にさっさと帰ろうとUターンした私だった




家に帰り、リビングに行くとたたんであった零君の服が消えてる



ってことは帰ってたんだ



おいてあるご飯を無視して部屋に直行、明らかに避けられてるのは分かってる、でもしょうがない、私のせいだから、
私も避けてるしね



それでも零君はここにおいてくれてる、しゃべりたくないだけかもだけど



でもせめて零君には幸せになってほしいから



『もうちょっとだよ』



だから安心して、もうちょっとで私は



いなくなるから

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作者名:リンネ x他2人 | 作成日時:2023年6月24日 10時

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