赤と緑の天才さん2 (ページ11)

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生きたい

―おめでとう条件達成だ

久しぶりに聞いたその声

―君はどっちを選ぶ？

私は、この力を使うよ、使って私は

―そっか

零君からそっと離れる、グラスを見ると、カーディナルはもうなくなっていた

『マスター、あれをお願い』

「、、、いいのですか？」

『うん』

「かしこまりました」

マスターがそれを作りに厨房に行く、私は零君の目をまっすぐ見た

『ありがとう、私を好きって言ってくれて』

「一目ぼれだったんだよ」

『私も』

いま私たちはお互いにあの日のことを思い浮かべているのだろう

「それよりAその目」

そう、きっと私の目は今、、、

「、、、お待たせしました」

マスターがグラスを零君の前に置く

「これは？」

『飲んでみて』

零君は何の疑いもせずそのカクテルを飲んだ、次の瞬間

グラッと零君の体が揺れる

『ごめんなさい愛してるよ、零君』

そう耳元でささやくと零は完全に意識を飛ばした、私はこっちの道を選ぶから

「よろしかったんですか？」

『うん、』

さっき零君が飲んだカクテル、バイオレットフィズには、私があらかじめ渡しておいた記憶を消す薬を入れてもらった

『あーあ、失恋かな、初恋は実らないっていうし』

「こちらをどうぞ」

『はは、当てつけかな？』

マスターが私の前においたバーボンを見てほほ笑む

『ありがとマスター、これでよかったんだよ、わたしじゃ彼と幸せになれない』

もらった指輪を自分の薬指にはめてみる、サイズぴったりだ、こわ

『でも、これくらいは許されるかな？』

零君の顔の隣にぽつんと置かれた私のはめてるのと同じ指輪を彼の薬指にはめる

バーボンを飲み干し、私は立ち上がった

守らなくちゃ

たとえ、この命がなくなろうとも

《バイオレットフィズの意味、私を覚えていて》

私の目は真っ赤人染まっている