刃生と狼狽 伍 ページ49
「迂闊でした。もう少し黙っていれば食べれたのに」
「あたしのプリン…」
自身の盆の上に並べられた二つのプリン。
それだけで上機嫌になれるのが女の子ってもの。
「で、賭けの内容はなんだったんですか？」
今日の夕食は焼き魚、味噌汁、白米など超王道な和食だ。
焼き魚を解しながら気になったことを聞いてみる。
「簡単ですよ。貴女が三日月とここへ来るか来ないか。」
「この前の女子会の感じから絶対追い返すと思ってたんだけどー！」
数日前の私はここまであからさまな揶揄を受けていたのに気づかなかったのか…
自分で気づくより早く周りにバレていて話題にされていた事実にいたたまれなくなってしまう。
「その件なんですけど…第二回女子会の開催を求めます！」
「あ、参加者増えるって言ってたよ」
「いや、それは歓迎なんですけど突然ですね？」
漬物をもぐもぐしながら宗三が首を傾げる。
「そ、相談がありまして」
ぴこん！
加州の頭の上にエクスクラメーションマークが見えた気がした。
「もしかして！？もしかしちゃう！？」
それに宗三も反応する。
理解が早くて何より。説明するの恥ずかしいし、むしろ分かってくれてありがとう。
「えっホントですか？説明してください！」
あーどちらにせよ説明しないと行けないやつですか、これは。
「また今度でいいですか？ここではちょっと…」
「いいよいいよ。楽しみだなー！日付いつにする！？」
「人数が多いなら本丸開催にした方がよさげですね。半日仕事が入ってても途中退席出来ますし。」
加州は近くにいた青江や堀川に声をかけていく。
そして、あっという間に開催日は二日後に決まった。
「二日後が待ちきれない〜！」
ワクワクを隠せていない加州に少し苦笑する。
協力してくれる分には心強いけど、これは根掘り葉掘り聞かれそうだなあ。
「その時に、メイクとファッションについてもう少し話を聞きたいんですけど、構いませんか？」
すぐに首を縦に振ってくれる二人。
そこ、恋すると可愛くなるってほんとだね。じゃないです。聞こえてますよ！
…でも、二日後ということは行動に移せるのは残り五日間。
今は話してるだけで楽しいけど、そのうちそれでも我慢できなくなったりするんだろうか。
会えないのが寂しくなって、傍に居たくて、切ない気持ちになったりするのかな。
今は想像出来ないけど、自分が自分じゃなくなるような激情は味わいたくないな、となんとなく思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トイプードル - わー！コメント嬉しいですありがとうございます！これからも更新続けていきますので暖かく見守ってください！ (2019年4月2日 7時) (
レス) id: 3116b53546 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きが楽しみです！これは、みかつるの予感がありそうで嬉しいです！続きが楽しみです！更新、頑張ってください！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トイプードル | 作成日時：2019年3月25日 12時
