刃生と狼狽 参 ページ47
いつも起こしてくれるのは女士仲間だから油断してた！そういえば女士なら襖開けて入ってくるよね。あああ私のミス！
「疲れているとこにすまんなあ。広間に行ったらお前を呼んでこいと言われたゆえ。俺も女士の方が良いのではと言ったのだが」
誰だ主犯！
今日の厨当番…宗三と加州！！
見事に真っ黒じゃないか！
被告人有罪！
二人が三日月を私にけしかけたに違いない。
あわよくば私が自覚すればいいって考えだろうけど…
残念でした！！自覚済みです！！！
好きな人に寝起きを見られるってどんな罰ゲームですか。せめて顔洗ってから会いたかった…
ちょっと困ったような顔でこちらを見られると、申し訳なさが倍増だ。
「…お恥ずかしい所をお見せしました。着替えてから広間へ行くので大丈夫ですよ。ありがとうございます。」
半分既に襖を締めながら、三日月に広間へ戻るように言う。
本当にご迷惑をお掛けして…
でも、三日月がその場から動く気配は感じられない。不思議に思って顔を出す。
三日月は、立ち去るどころか床に腰を落ち着けていた。
「鶴丸が良ければ、準備が出来るまで少し話をしないか？」
「えっ…はい？構いませんけど…」
声がくぐもらないように少しだけ襖を開けたまま、衝立を引っ張ってきて着替え始める。
襖を開けたまま好きな人の前で着替えるなんて、正気に戻ったら羞恥で死んでしまいそうな状況だけど、薄暗い外が現実感を薄めていた。
「…突然なのだが、また国を発つことになった。やはり歴史保全機構への対抗策を考えねばならんし、向こうから干渉を受け顕現の出来ない刀が日本でも見つかった。」
「！？早い、ですね」
胸を刺されるような悲しみ。
自覚したばかりなのに…これは今までの行いのせいだろうか。
「いつまで居られるんですか？」
「あと一週間だな」
「…そうですか」
くすりと笑った声が聞こえる。
なんで笑われたのか分からず、着替えの手が少しの間止まった。
「別れを惜しんでくれるのか？」
「解決したので。振り回してしまってごめんなさい…」
「良い良い。その代わり、これからも仲良くしてくれ」
からから笑う声。
遠くに居たって声を聞く方法はいくらでもあるし、姿を見ることだってできる。
それでも、どうしても寂しかった。
「…でも、」
言葉が詰まる。
行かないで、なんて言えるはず無い。
私達は一人一人が替えのいない重要な役割を負っていて、それは国の人口を大きく超える人数に影響するんだから。
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トイプードル - わー！コメント嬉しいですありがとうございます！これからも更新続けていきますので暖かく見守ってください！ (2019年4月2日 7時) (
レス) id: 3116b53546 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きが楽しみです！これは、みかつるの予感がありそうで嬉しいです！続きが楽しみです！更新、頑張ってください！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トイプードル | 作成日時：2019年3月25日 12時
