刃生と感情 拾 ページ43
「俺はこの情報を日本で精査するために戻ってきていたのだ。まさかとは思ったが日本にも現れるか…」
「情報が足りませんね…交戦の報告は？」
「いや、まだ目撃例のみだったはず。…もしやお主、」
驚いたように私を見やる。
私はコクリと頷いた。
「戦に必要なのは何より情報です。…不味くなったら撤退をお願いしてもいいですか？」
「全く…あれを見ていれば勝算のない話ではないのだろうが、援軍がきたら難しいぞ」
そう言いながらも協力してくれるらしい。
今はこの至近距離でも体がおかしくなることは無かった。
「本気で叩かず撤退の余地は残しておきましょう。どのくらいのシステムで動いているのかが問題ですが…」
「…俺も行こう。向こうは一部隊いる。勝利できる可能性は少しでも高い方がいいだろう？」
「…はい！」
目を合わせて力強く頷き合う。
きっと私達は相性がいい。そんな確信が胸に浮かんだ。
三日月が引き付け私が奇襲。作戦はこんなシンプルなものに決まった。
敵の前に三日月が悠然とあらわれ、目を引いているうちに司令塔と思われる個体に刀を振り下ろす。
…！？硬い！
慌てて飛び退き距離をとる。
見ると、敵の体は内側から蠢いており、体の色が変わりどんどん筋肉質になっていった。
「何故急に！？」
三日月もこちらの異常に気づいたらしく、こちらに走りよってくる。
「どうした？」
「敵の強度が変わっています。先の遡行軍を相手にしていた時より強いです。」
まるで私の強さに合わせてきたような…?
そういうと彼は眉根に皺を寄せ低く唸った。
このような情報も回っていないらしい。
もしこちらに強さを合わせてくるなら対応も手段が限られてくる。
「あいつら、私たちの練度に合わせてきているのでは？」
「…それはまずいな。この人数ではちときついものがある」
当然だ。実力差がなければ人数差が勝敗を決める大きな鍵になる。
…逃げようにも相手は逃がしてくれる気はなさそうだし。私たちが捕われるとこちらを解析される可能性も出てくる絶対に負けられない戦いなのに、こちらは不利な状況からのスタートだ。
「仕方がない。やるぞ！目標は敵の戦闘不能！」
この状況での最善手。生き残りたいなら勝つしかない。
三日月に一歩遅れて私も敵に切りかかる。
相変わらず硬い。槍がいるのが厄介だな。
単純計算で一人３体の相手をしなくては行けない。
打刀、太刀、槍、槍、太刀、そして大太刀。
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トイプードル - わー！コメント嬉しいですありがとうございます！これからも更新続けていきますので暖かく見守ってください！ (2019年4月2日 7時) (
レス) id: 3116b53546 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きが楽しみです！これは、みかつるの予感がありそうで嬉しいです！続きが楽しみです！更新、頑張ってください！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トイプードル | 作成日時：2019年3月25日 12時
