刃生と出会い 参 ページ31
政府直下で管理される本丸の自室に戻り、血に濡れた着物を着替えてシャワーを浴びる。
自己紹介…この場合は私(鶴丸国永)の説明でいいんだろうか。それとも私のパーソナリティ？
「どんな方なんでしょう…優しい人だといいのですが。」
部屋着の白い浴衣の裾を揃える。時計を見ると、もう残った時間は30分しかなかった。
…両方用意して場合によって説明を変えるしかない！
急いでキーボードを立ち上げ、箇条書きに説明する項目を上げていく。
刀種、所属する部隊、縁ある家…あといつからここに居るのかも。
文字になっているものを見ると、少し安心した。あえてそれを印刷はせずに立ち上がる。
次は…手土産もあった方がいい？賄賂っぽい？
いや！初対面は大事だよね！
思い切って、鶯丸から貰った高級玉露を持っていくことにした。
よし、こんどは着替えだ。
「何着ていきましょう。正装が無難？でも、初対面の方相手に武装は…」
タンスを開けて静止。
思っていたよりまともな服が少ない。
結局、白に赤い花が染め抜かれたお気に入りの着物の上にいつものフードがついた白い羽織を来ていくことにした。
あまり気負いすぎるのも良くないはず。うん。
人前に出ても恥ずかしくないもの…と言うとあんまりないのだ。お恥ずかしながら、戦にうつつを抜かしていたもので。
ここに来てすぐ買ったのも、着物になれるためという名目で和服ばかりだし。洋服はパーティーなんかにも着ていけそうなドレスしかない。
「…次のオフ、宗三に服選んでもらえるか聞いてみましょう。」
元ファッションデザイナーで自身の手がける服のモデルもしていた彼女なら見られる服を選んでくれるだろう。それに、この見目なら大抵の服は似合うはず！
鏡とにらめっこして、最終チェック。
髪にも櫛を通したし、上司に会うのに失礼はない格好になったと思う。いや、基本的に私たちの立ち位置は同格という扱いなんだけど。
よし！行くか！
気合を入れて襖を開ける。もちろん音を立てないように。礼儀は忘れないようにしないと。
外にそのまま出られるようになっている開放的な廊下を歩いて獅子王の部屋の前に立つ。
現在予定時刻の五分前。
「獅子王、鶴丸国永です。」
「おっ来たか！」
目の前の襖が勢いよく開く。
部屋の中から輝く笑顔が覗いていた。
「すいません。お待たせしてしまいました？」
「全然！おっそれたっけえお茶じゃん！ありがとな！あいつも来てるよ、ほら──」
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トイプードル - わー！コメント嬉しいですありがとうございます！これからも更新続けていきますので暖かく見守ってください！ (2019年4月2日 7時) (
レス) id: 3116b53546 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きが楽しみです！これは、みかつるの予感がありそうで嬉しいです！続きが楽しみです！更新、頑張ってください！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トイプードル | 作成日時：2019年3月25日 12時
