全ての始まり 弐 ページ4
「あ！そうそう！今日は霊力測定じゃん！この緊張を分け合いに来ました〜」
心臓ばくばくいってる！と胸に手を当ててニコニコ笑う優希は純粋に可愛い。表情に出さずにホッコリしていると、また彼女が口を開いた。
「そういえばね。陰陽寮の人達がばたばたしてるらしいって噂だよ。今日も測定に同席するとかなんとか」
その言葉にぱちぱちと私は目を瞬かせた。
優希の父は陰陽寮所属だったはずだ。それならその情報にも重みがでる。
「陰陽寮の方々が…？穏やかではありませんね…基本的に表には出てこないとお伺いしたのですけれど」
「うんうん。いつもは穴蔵に引きこもってるような人達なんだけどさー」
いしし、と優希は茶化すように笑う。
「お父様のことをそんなふうに言っては…」
「いーのいーの！コミュニケーションだよ」
躾がいいねーと笑う優希を見て苦笑いする。親はボロが出ないように躾だけは全力だったことを思い出したから。
「だからね。今日の測定ちょっと不安で」
なるほど。陰陽寮の人間を親に持つなら、彼女が測定が初めてなはずはないのだ。実用に足る霊力を持つ人間は喉から手が出るほど欲しいはずだろうから。
「私が助けになるのなら良かったです。」
手を軽く握ってふると、優希はふわりと微笑んだ。そうして私をぎゅっと抱きしめる。
「A可愛い！！いい友達が出来て良かったなあ」
「ふふ。私もです。お友達が出来ないかもしれないと不安だったのですよ？」
そんな軽口を交わしていると、クラス担任が教室にやってくる。予鈴に気が付かなかったらしい。
席に急いで戻る優希に軽く手を振り、前を向いた。
「おはよう皆。聞いていると思うが今日は霊力測定がある。昼の後といった話だったが都合が変わったらしい、このあとすぐに昨日話した教室に向かってくれ。」
ヒソヒソと皆が近くの席の人と噂話を始めた。その中には陰陽寮の噂も混じっている。
「学級委員…藤守。引率を頼む」
「はい。先生」
のんびり屋の多いお嬢様達を連れて向かった先の教室はいつもと全く違った雰囲気を纏っていた。
出席番号の近い優希の
「ひゃー凄いなー」なんて声が聞こえる。
全く同感だった。まるで異世界に迷い込んだような…
1番の人から順番に進んでいき、とうとうは行。頑張って！と口パクで言って、1つ息を飲んでから先に教室を出た優希に目線をやって異空間の中で一際浮いている垂れ幕の中に入る。
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トイプードル - わー！コメント嬉しいですありがとうございます！これからも更新続けていきますので暖かく見守ってください！ (2019年4月2日 7時) (
レス) id: 3116b53546 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きが楽しみです！これは、みかつるの予感がありそうで嬉しいです！続きが楽しみです！更新、頑張ってください！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トイプードル | 作成日時：2019年3月25日 12時
