刃生と出会い 壱 ページ29
「鶴丸、そっち行った！」
「はあっ」
体のねじれを加えた打撃を慣れた調子で思い切り叩き込む。
早い事で、私の刃生が始まってからもう3度の季節が巡っていた。
「おっ。さっきので最後ー？」
「どうする隊長！切り上げるか！？」
「切り上げよう！」
「「了解！」」
私もみんなと一緒に時間を遡って、敵…歴史修正主義者を倒していく。あんなに苦戦して死にかけた大太刀も、今では首を一太刀で落とせるようになった。
私の所属するのは最前線。歴史を変えようと現れる敵と戦う一番交戦率の高い部隊で、昼夜問わずいくつかの部隊を交代しながら戦っていく。
最近では、思い切って…というか戦うのが楽しくなってきた。何を言っているのかと言われるかもしれないけど、部隊の仲間達ととった首の数を競うくらいには。
「脳筋の気があったんだろ」
なんて言われるけど断固反対したい。
これは実戦刀だった鶴丸国永の影響です！
「鶴丸ー。返り血拭っとけよ！また職員に倒れられるぞ！」
「あっすいません。…タオル余ってないですか？」
刀についた血を払い、鞘に収めて顔を拭う。
服が白いから血が目立つなあ。
「またかお前は…いい加減血を被るのやめろ」
「その…昂るといけませんね、つい」
「この脳筋め」
言い訳をしたばっかりなのにこの惨状。さすがに恥ずかしくて首をすくめる。
優希がこんな私を見たらなんて言うだろうか。もしかしたら流石の優希でもドン引きして幻滅してしまうかも。
…それは悲しいな。
それでも…これが刀の性なのか分からないけど、敵に刃をたて地に沈めるのが楽しくてしかたないのだ。
こんな血に染った私を優希には見せられない。
最初は自分の有様に絶望したし、自分の性癖を疑った。後方支援に徹しようかとも思った。コレは間違っても人に見えない化け物だけど、万が一人にこの衝動を向けてしまったら…なんて。
なにより怖かったのは、心の底ではそんな私を肯定していたこと。
そんな葛藤も、仲間達が解いてくれた。
「俺もそうだった」
「相性がいいと思考にも影響が出るんだな」
「多少影響がないと戦場に立ち続けるなんてただの人間には出来ないんだから。プラスの才能だと思え」
時に厳しく時に優しく。
この考え方は、後輩ができた今も生かされてると思う。
「戻るぞ！」
「はいっ」
開いたゲートに走りよる。
すると、隊長を務めていた獅子王に話しかけられた。
「そういや今日、遠征から帰ってくるやつがいるんだよ。」
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トイプードル - わー！コメント嬉しいですありがとうございます！これからも更新続けていきますので暖かく見守ってください！ (2019年4月2日 7時) (
レス) id: 3116b53546 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きが楽しみです！これは、みかつるの予感がありそうで嬉しいです！続きが楽しみです！更新、頑張ってください！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トイプードル | 作成日時：2019年3月25日 12時
