全ての始まり 玖 ページ11
次の瞬間、部屋がカッと明るくなった。
思わず目を瞑り、恐る恐る手を開くとそこには一振の刀が握られていた。白い鞘に、金鎖の着いた身長の半分はあろうかという長い刀。
光が消えると刀は手の中へ落ち着き、鋼の重量がそのまま手にかかる。手から落ちないように、鞘走らないように急いで胸へ抱き込んだ。
その拍子にネックレスは手からこぼれおち、カチャリと音を立てる。
「…！これは…」
「太刀鶴丸国永…の分霊ね。今はただのレプリカみたいなものだけど、神降ろしが成ればそれはあなたの体の一部みたいに扱えるはず。」
1度テーブルの上に置いてネックレスを拾い直す。よく見ると、5枚の花弁のうち1枚が薄桃色に染まっていた。
「それはゲージの代わりにもなってるの。…未契約者にしかあんまり意味は無いから、ほとんど意味のない機能だったんだけど。」
そう言って彼女も懐から同じチャームが着いたブレスレットを取り出す。私の違って全ての花弁…花が薄桃色になっている。
「説明するわね。簡単に言うと、
・1枚目、刀の顕現。これはそれなりの霊力があれば余程相性が悪くない限り誰にでも可能。
・二枚目、三枚目は身体能力の強化とその調整。これは適性がないとできないと言われている。
・四枚目、警告。人の体で耐えられる限界値。
・五枚目…これは神降ろし。正式なものではなく一時的なものになるけど、神を降ろすことに変わりはないからとても危険。
貴女の適合率だと、四までは耐えられても五は使わない方がいいと思う。相性が良すぎて、体に影響が出る可能性が高いわ。そうなると、普通の人の中では生きていけない。」
四枚目、四枚目が限度。
普通でいたいなら、絶対に守らないといけないライン。
唾を飲み込んで神妙に頷く。
「わかりました…。そういえば、正式に契約を交わすと、常時色が変わったままになるんですか？」
「そうよ、体内の霊力の質に反応してるから。もっとも私達はこれがなくても刀を呼べるんだけど。」
そう言ってテーブルにそれを置いて身を起こし、手を突き出すとそこを中心に花弁が舞う。渦巻く花びらが散るとそこにはやはり刀が握られていた。
「貴女にこれを与えるのは自衛のためよ。こちらも厳重に情報は秘匿しているけど、人の口にとは立てられない。万一、億が一にでも襲撃があったら、刀をふるえとは言わないからこの身体能力を使ってここまで逃げて来なさい。」
いいわね？
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トイプードル - わー！コメント嬉しいですありがとうございます！これからも更新続けていきますので暖かく見守ってください！ (2019年4月2日 7時) (
レス) id: 3116b53546 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きが楽しみです！これは、みかつるの予感がありそうで嬉しいです！続きが楽しみです！更新、頑張ってください！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トイプードル | 作成日時：2019年3月25日 12時
