君の瞳【灰谷竜胆】

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貴「…っ！」
竜胆さんのトゲのある言い方に

また泣きそうになるのを
ぐっと堪えた

竜胆さんも私を好きでいてくれてるんでしょ？
バカな私にもわかるよ

じゃなきゃそんなに大切にしてくれない
そうでしょう？

竜胆「すぐ転けるし、食器ひっくり返しそうになるし、カバン置き忘れるし、間抜けだし」

貴「そんな言わなくても…」
ただの悪口じゃん…

竜胆「…でも、力ねぇくせに荷物持とうとするし、方向音痴なのに迷子連れて歩こうとするし…」

両頬を包まれて
ゆっくり顔を上げると

竜胆さんのタレ目と視線がぶつかった
…とても、優しい目をしていた

竜胆「そんなバカすぎるA、俺以外に面倒見れるヤツいねぇよな」

貴「…っ、それって…」
綺麗な顔が近づいて唇が重なった

竜胆「騙された、って泣いても知らねぇからな」
貴「…！竜胆さんっ！」

思わず彼に抱きつけば
片手で受け止めてくれる

大好きな背中に手を回せば
そっと抱き締め返してくれる

竜胆「好きだよ。Aのこと、どーしようもないくらい愛してる」

貴「私もっ！竜胆さんのこと愛してます！」
そう言えば瞼にキスされた

竜胆「俺以外見んなよ。Aの瞳、綺麗すぎて誰にも見せたくねぇし」

貴「私だって竜胆さんが美人だから誰にも見せたくないですけどね」

竜胆さんと歩いてると視線すごいんだよ？
絶対釣り合ってないって思われてる

…でもいいの
釣り合ってなくても

どれだけ可愛い子がいても
竜胆さんが選んでくれたのは私だから

竜胆「やっと俺だけになった」
貴「何がですか？」

竜胆「この瞳(め)に映るのが」
貴「…そんなの最初から貴方だけです」




-END-

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