君の瞳【灰谷竜胆】

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貴「優しいです」
竜胆「やっぱ頭おかしいな」

貴「優しくない人は！会いたいって言われて走ってきてくれたりしませんっ！」

竜胆「…っ！」
走ってきたこと、バレてる

竜胆「……違ぇよ…Aだからだよ…」
あー、もうホントに調子狂う

竜胆「Aにしか優しくねぇよ。人だって殺すし、部下は俺に怯えてるし。優しいわけねぇじゃん」

Aだから優しくしてんだよ
でっかい荷物もってたババァとか

迷子になったガキに優しくしたのは
Aにいいやつって思われたかったからって

不純な動機だし
俺は汚い人間なんだよ

貴「そうだとしても、私は嬉しかったです…！竜胆さんも知ってるでしょう？私が鈍臭いの」

知ってるに決まってる
それも含めて好きなんだから

貴「鈍臭いから呆れられて、怒られて、舌打ちされるなんて日常だし…でも竜胆さんはいつも助けてくれて笑ってくれました」

Aが何度も謝る理由がわかった気がした
ずっと謝ってるのは自信のなさの現れ

貴「髪がボタンに絡まったときも…転けそうになったときも…何度も竜胆さんに助けてもらいましたっ！」

泣きそうな顔をして俺に訴える
竜胆「俺といても幸せになれねぇよ」

貴「私の幸せを勝手に決めないでください！私は竜胆さんといるときが1番幸せでした！」

言い切ったAは肩で息をしていた
そして綺麗な瞳から涙を零しながら

貴「竜胆さんが好きなんです…私を彼女にしてくれませんか…？」

竜胆「……こんなに忠告してんのに告白してくるとか、バカにも程があるだろ」

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