君の瞳【灰谷竜胆】

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貴「イルカ凄かった…」
竜胆「A、5歳児みたいだったな」

貴「そんな事ないですぅ！」
ムキになって怒るあたりホント5歳児

「はい、あーん」
って後ろから声が聞こえて

失礼にならない程度に振り向けば
若い男女がポテトを食べさせあってた

それを微笑みながら見たAが
衝撃的なことを口にする

貴「いいなぁ…私も彼氏ほしい…」
竜胆「………は？」

は？どういう意味だよ
ただの呟きなのか

よくある、私フリーですよってアピールなのか
……いや、前者だな

だってAだし
しかも相手俺だし

竜胆「…男苦手なんじゃねぇの」
貴「そうですけどね…やっぱ羨ましいですよ」

彼氏いない歴＝年齢です！って
何故かドヤ顔をする

竜胆「俺が彼氏になろうか？」
貴「え？」

Aがキョトン、とした顔で俺を見る
不思議な色の瞳に俺が映ってる

竜胆「…………冗談だけど」
貴「…………あ、冗談か…」

徐々に顔を赤く染めたAが
やっと理解した、とでも言うように呟く

……なんだよ、その反応
なんで顔赤くしてんだよ

…期待させんなよ
Aといると調子狂う

思ってもない方向ばっか行く
俺が彼氏になろうか、なんて

言うつもりなかったのに
気づいたら口から出てて

誤魔化して訳わかんなくなって
貴「…竜胆さんは彼女さんいないんですか？」

竜胆「…いねぇよ」
貴「……そうですか」

だから、なんで嬉しそうにすんだよ
俺がいくらAが好きでも

Aが俺を好きでいてくれたとしても
竜胆「これからもつくらねぇ」

…なんで悲しそうな顔すんだよ…っ
俺と付き合っても幸せにはなれねぇよ

幸せになって欲しいんだよ
好きだから…

俺じゃないもっと誠実な人に
幸せにしてもらえよ…

そのときは応援するから
だから、大切な人ができるまでは

竜胆「彼氏できるといいな」
隣で善人を演じさせてよ

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