MoeMoe part3

布団 - 桃 ページ3

朝、ベットの中





柄にもなくその顔に見惚れているとパチと開いた目と視線が絡んだ





朝起きたばかりには恥ずかしくて、暑いんだか寒いんだか分かんなくて半分だけ被った布団に潜る

昨晩の情事の匂いが少し残った布団の中は思ったより暗い






小さく伸びた大きな身体にぶつからないよう身を潜めるけど今度は彼も潜ってきた









「なにしてるの、かくれんぼ？」









未だ眠気眼の彼はうとうと、上手く目は開いてない



かくれんぼだなんて可愛い単語を使ってるけど今の彼では見つけられないだろう

それほどに目は薄くしか開いてない









「見つかっちゃった」









「うん、見つけた」









「起きよっか」









「もうちょっと」









ふわふわした雰囲気に取り込まれる訳にはいかない

でも、布団から頭を出そうとする手を制して、その手を絡めた彼は、ねっ、と笑う


ずるいじゃん、そんなの









「ちょっとだけだよ？しょうがないな」









ニヤニヤしてしまうのを抑えて、もそもそ動いて顔を同じところに持っていく



恋人繋ぎなんかしちゃって

くすくす笑い合う









「今何時かな？」









「わかんない」









「それじゃゆっくりする日だね」









丸一日休むのも大事だから




繋いだ手を顔の前において、見つめ合うと可笑しくって、また笑ってしまう









「今日のあべちゃんは甘えたなの？」









「しらない」









「俺はね、甘えたい気分」









「それじゃ甘やかしてあげる」









ぎゅぅと繋いだ手に力が伝わってくる


答えるように握り返して空いた手も被せる






甘えたなの？と聞いて違うと答えれば本当に違う日
でも知らないと答えた今日みたいな日は甘えたい日






甘えベタな彼は素直じゃない









「なにする？一日中ゴロゴロしてる？」









「佐久間はしたいことある？」









「阿部ちゃんと一緒ならなんでもいいよ」









「じゃあ、朝はゆっくりしてお昼食べてからお買い物いこ」









「そうだね、そうしよっか」









あははと笑った阿部ちゃんは楽しみだなと呟く




ベットから出るまであと数時間






ｅｎｄ.

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