・ ページ16
「よければ一杯付き合ってくれませんか？」
了承を得られる確証なんか無かったけど、薄っぺらい鉄の敷居を挟んで居るはずの宮舘さんの方にビールをもった手を伸ばす
顔は見えない
いや、見ない
その方がいい
「阿部さんはお仕事は何なさってるんですか？」
怪しい俺の手から貰った缶をプシュっと開け問われる
「僕は、高校教師してます、最近ようやく講師から正規になったんですよ」
「それはおめでとうございます、詳しく知らないんですけど何か変わるんですか？」
「給料があがりました、ブラックには変わりないんですけどね」
こんな話は面白くないんだろうなと思いながらも日頃俺の鬱憤を聞いてくれる人なんていないからと文句垂れてしまう
「僕、カフェとバーを経営してるんですよ」
「それは、……大変ですね」
宮舘さんが自分自身のことを話してくれると思わなかった
もう少し声が聞きたくなって、綺麗なんて到底言えない鉄に凭れ掛かるとギシッと嫌な音がした
「別れた相手も、そこで出会ったんですよ」
「……オープン当初、いやその前から仲良くて店を経ちあげるきっかけもつくってくれて、いつの間にか恋人になってました、なのに、上手くいかないもんですねほんと」
なんて言えばいいんだろう
下の名前も知らない人になんて声をかけたらいいんだろう
「惜しい子を逃しましたよ経営者として、別れた事でバイトも辞められたんで」
「……………どっちが悪かったんですか」
「っすいません！言い方悪いですよね、なにがきっかけだったんですか？」
ぽろっと本音というか思った事が出てしまった
悪い癖だ
小さい時から勉強一本でやってきた、特定の人としか関わらずに、そのせいなのかなんなのか人の気持ち分からないだろってよく言われる
「…………どっち、でしょうね？やっぱり俺ですかね？」
「気配り上手な奴だったから、任せきりにしたのが悪かったんです」
「甘えたい気持ちに応えてやれなかった」
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 645人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りょう(プロフ) - 初めまして。突然のコメント失礼致します。stのペアについてなのですが黄くんを要望させていただきます。とにかく可愛いygabとnbabが大好物なものでして…。御検討の程よろしくお願いいたします。 (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 6529025ac0 (このIDを非表示/違反報告)
菻(プロフ) - ありすさん» ありがとうございます！ぜひ書かせていただきますね！ (2020年7月7日 19時) (レス) id: d405679b3e (このIDを非表示/違反報告)
ありす - リクエストいいですか？なべあべでお願いしたいです。内容は両片思い設定で、ある日2人が事故チューしちゃうんです。そこからしょっぴーが想いを伝えて付き合うみたいな感じのがいいです！この前の素のまんまで読まれたメールのシチュエーションとほぼ同じです笑 (2020年7月4日 17時) (レス) id: aadefe7168 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - またまた、良いでしょうか。めめが強がるんですけど、そんなのは阿部ちゃんは見抜いていて、最終的に阿部ちゃんがマウントってるんですけど、めめにヤられて幸せな2人が見たいです！ (2020年5月1日 3時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)
菻(プロフ) - けーた。さん» わざわざコメントして頂きありがとうございます！ただただ甘い日常を書いてみました。 (2020年4月23日 21時) (レス) id: d405679b3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菻 | 作成日時：2020年3月28日 18時
