＊私立雪坂高校＊‥深澤こころのノート。（紫）

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「いや〜流石にやばかったっすね〜‥」



切り花だけじゃなく、鉢植えもあって、トラックに乗り込んだらもう‥足、肩、腕、揃いも揃ってパンパンだ。


「ここ最近で１番多いかもね〜！今日は特別ボーナスあるわよ！」


指でお金マーク作り、ウインクをする店長。





「やったー！それ聞いただけで復活しました！」


花を積んで移動する車内は、いつも楽しい会話が繰り広げられている。みんな佐久間に似てしゃべりやすくて心地よい。家族だし、空気感が同じなんだ。




「ここを右、かな」



「地図上では‥あの建物ですかね‥


あ！佐久間が手振ってます！」



「ほんとだ！おっけー！到着〜！」




ピーピーとバックの音が鳴り止むと、エンジンが停まり、到着だ。トラックの高い座席からスルッと地面に降りる。


「ありがとうございましたー」






「深澤〜！ありがとうー！今日長いぞ〜！」


「佐久間、今日の量は過去１だわ‥この量は一体何に使うのよ？」


またこれを建物の中に入れると思ったら、ゾッとして筋肉が強張った。



「あー。なんかね、新しいホール？ライブハウスなんかな？の、コンセプトが花らしくて」




「お？！ライブハウス！？

それはすごいな〜！芸能人とか会えるかな？」



テンポよく花の行き先を仕分けながら、自然と会話が弾む。




「え？ラウールとかいるやん？」


一芸クラスにいるモデルのラウールの名前を上げる佐久間。たしかに喫茶ロイヤルにもまあまあ来るし。佐久間とは友達関係らしいし。


「いや、下手すりゃあいつは毎日会えるから！


違うんだよなー！もっとほら、THE芸能人！みたいな！」






「あー、でもなんか明日は新人がデビューするっぽいな〜」









なんかよくわからんけど、期待の新人らしい。期待のって、この世の中にアーティストなんて星の数ほどいると思う。その中で期待されて、デビューまで行ける人って一体どのくらいなんだろう？

あー、考えただけで気が遠くなる〜




「しゃー、終わったー！じゃあ、俺はこれ。ホールの方いくわ」


「終わったらお互い手伝うってことで！」



それぞれが持ち場に分かれて、俺はライブハウスの方へ向かう。佐久間はエントランスの１番目立つところのデザインから任されていて。流石、佐久間流の次期当主だ。

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