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気づけば、足は一歩前に出していて。
橋口さんは急に俺に手を引かれて、ザッ、ボフッてあんまり色気のない音を立てて腕の中に入ってきた。
「‥会いたかったー‥」
『‥急にいなくなってごめんね』
俺と同じくらいの身長なのに、俺とは違う華奢な身体で。力を入れ過ぎたら潰れちゃうんじゃないかって思える。
それほどに繊細な橋口さんは温かくて。
入り口の窓から見える、街灯に照らされている雪はキラキラしていて。
ぁあ。なんだろ、改めて、恋。してるんだなって。
『あ〜、やっぱりさあ。』
「ん？」
腕の中で喋る橋口さんの声を聞くために名残惜しいけど、身体を離す。
『わたし、深澤とずーっと一緒が良くて。』
「え、えと」
『ずっと推しでさ』
「あ、佐久間から聞いた、よ」
『入学式の時、溝に足がハマってさ、覚えてる？』
「え、え？！あの溝の子？！」
『溝の子ってなんかやだ！あの時の。』
入学式の会場に移動するべく、中庭を曲がったら、たまたま溝の蓋が開いていて、片足を突っ込んだ状態の子に出会った。
『あんまり変わらないから俺の靴履きな？って、今日おろした新品だから汚くないから！って』
「それ今聞いたらやばくない？！靴差し出してくるやつ怖いよね？！」
『ううん、普通、見ず知らずの溝にハマったやつにそんな声かけできないと思うの。』
あれは‥かなりピンチそうだったから‥
『あのあと何とか靴は返せたけど、何回もお礼しようとしたけど、深澤はいつも人に囲まれていてチャンスはなくて。』
「お礼なんて‥」
『最初は王子様みたいだなって。推しだ！って思って見るだけで嬉しかった。
でも３年で同じクラスになって、一学期のテストの最終日に深澤が言ったの。
いつもプリント回してくれてありがとうねー！おかげでテスト頑張れるわーって。
‥それは、私の容姿とか、バンドをやってるとか、そんなのは何一つ関係ない。
深澤のこころの声。すごくすごく感動したんだ。』
「‥‥」
びっくりだった。俺の発言は本心だろうが、軽く流されていくことが多かった。こうやって、中身まで聞いてくれている人がいたなんて。
『あ！ちゃんと店閉めなきゃね！ごめんね、待ってても良いかな？』
「う、うん！急ぐわ」
close作業をしている間、待ってくれている橋口さんを横目で見る。本当に現実だ。橋口さんがいる、胸が高鳴る。
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rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» ありがとうございます！★なんだかコメント届くたびに感激しております‥！また読みたいと思えるお話になるよう頑張ります♪！ (10月16日 21時) (
レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて - またまた失礼します！お話が無事に完結して本当に良かったです！おめでとうございます😊とてもいい感じで終わりましたね！最高です🎉これからも応援しています！！ (10月16日 16時) (レス) @page38 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» いつもありがとうございます♡！物語は終盤です！もう少しお付き合いくださいませ〜！ (10月15日 19時) (レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて - コメント失礼します！どんな展開になっていくのか、ハラハラ・ドキドキしてます♪更新応援しています😊 (10月15日 7時) (レス) @page35 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» 嬉しすぎます！✨現実世界にほしいですよね★一応出てくる場所とか、頭の中ではモデルあります😬✨コメントは暇がある時には書いてもらえたら嬉しいです😉 (10月4日 5時) (レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rinao | 作成日時：2023年9月26日 2時
