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「29.30.31.32‥よし。まあ出してる分は全員か」
誰もいなくなってがらんとした教室で、ノートの名前をチェックして、とりあえず出しそうなやつは全員分あることを確認した。その束をガサッと持ち上げる。
「あ〜‥脇に挟むのは失敗だった‥」
日直日誌を脇に挟んでしまったため、脇の固定は大変だわ、前はノートで視界が遮られるわ、でなかなか進みが悪い。
階段にさしかかり、カーブを曲がる。
はずだった。
『うわっ!!』
「え!?何?!」
急に人の声がして軽くパニック!
「ぁあ!」
バサバサバサ!
日誌を挟んだ脇が緩んだのを直そうとして、バランスが崩れ!ノートが一気に落下し、それを踏んで滑った俺も尻もちをついた。
『うわー、ごめん!!』
「いや!こっちこそごめん!大着して一気に持っただけだから気にしないで、よ?え?」
しゃがんで、落ちたノートを拾ってくれる子の後ろ姿を見て、どこかで見たような気がした。
『え?』
後ろを振り返ると、え?
「え?‥橋口さん‥?」
『ぁあ、そうそう!
びっくりしたー、何かと思ったら、あ、これでわかる?』
そう言った橋口さんは留めているクリップを取り、少し長めの前髪が出来上がり、メガネをかけたら、あら不思議。
橋口Aさんの完成〜!
「って3分クッキングかい!」
『は?』
「あ、ううん!こっちの話!いや、あまりにも違うからさ!部活?」
『あ、うん。軽音入ってて。』
バンドって引退とかないからねー、と橋口さん。
いや、普通に会話してるけど!初めてなのよ!
「待って、一旦落ち着くわ!
ちょっと理解しきれてない、色々。」
『えーと、頭、大丈夫?』
「なんかそれ語弊あるぞ!」
『あっははは!深澤ってやっぱり面白いねー!』
「え」
『いや、いつも教室で聞こえてるから』
「聞こえてるなら話しかけてよー!恥ずかしいじゃん!」
『それは無理』
「厳しい!」
『あ、教室とかで話しかけなくていいから!』
これを機にとかいらないから!とあっさり言うと、
「え、それ」
『ぶつかっちゃったお詫び!半分持ってくね〜』
片手を上げて去っていく橋口さん。
男前すぎる‥かっこいい‥!!
俺の中に、動揺と、感動と、ドキドキが入り交じる。
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rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» ありがとうございます!★なんだかコメント届くたびに感激しております‥!また読みたいと思えるお話になるよう頑張ります♪! (10月16日 21時) (レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて - またまた失礼します!お話が無事に完結して本当に良かったです!おめでとうございます😊とてもいい感じで終わりましたね!最高です🎉これからも応援しています!! (10月16日 16時) (レス) @page38 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» いつもありがとうございます♡!物語は終盤です!もう少しお付き合いくださいませ〜! (10月15日 19時) (レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて - コメント失礼します!どんな展開になっていくのか、ハラハラ・ドキドキしてます♪更新応援しています😊 (10月15日 7時) (レス) @page35 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» 嬉しすぎます!✨現実世界にほしいですよね★一応出てくる場所とか、頭の中ではモデルあります😬✨コメントは暇がある時には書いてもらえたら嬉しいです😉 (10月4日 5時) (レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rinao | 作成日時:2023年9月26日 2時