＊私立雪坂高校＊‥深澤こころのノート。（紫）

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「ふんふふんっふふん」


花の水やりは、花が嬉しそうで楽しい。




「さては上機嫌だな？」


「ぅああ！佐久間！びっっっくりした〜



あ！お前！」



ひょっこりと観葉植物の陰から顔を出してきた佐久間に、昨日の出来事がよぎる。




「どう？鼻歌うたうくらい良いことあった？！」


「あるわけねーだろ！あっても佐久間に教えるもんか！」






「え〜？！ケチだな！いいじゃん！教えてくれても！」




「本当になんもないの！強いて言うなら佐久間が勝手に推しってバラした！お腹痛くなる呪いかけたぞ！」


「やば！なにそれ強すぎ！」


佐久間がお腹を抑えて中腰になる。


「ピロピロピン！お腹痛くなれー！」



持っていた箒で呪文をかける仕草をしながら佐久間を追い回す。


「やめろよー！」


『え、ふたりで何してんの？』






「は‥」

「はっしーじゃん！


あ！俺、お祖母様に呼ばれてるんだった！じゃあなー！」



声のする方向顔を向けると、橋口さんが立っていて。


「あ、待て‥！」



俺は未だ佐久間に呪文をかけたままの手の状態で。



『魔法？』


「あ、えと‥



‥待って‥ほんとにめっちゃはずいよ〜‥」




あまりの恥ずかしさにしゃがみ込む。


あー、俺、今耳まで真っ赤なんだろうな‥カッコ悪すぎる‥！




『ぇえ？めっちゃ似合ってたよ？』


「やめてー‥」


さらに恥ずかしくなるから！


『あっは！こっちの深澤いいわ〜』



「‥え、こっちの深澤って何？」


あっちとかこっちとかあんの？













『ん？うん。可愛い深澤。』



「ひぇ！！」



『それが可愛いっ！』



「やめて〜！」


橋口さんさっきから何言っちゃってんの？！







『で！これ持ってきたの！はい！』



差し出されたCD。




たしかに昨日曲聞いてって話はしたけど！




「え！いいの?!」


『うん、だってファン1号だから。』



「‥嬉しい‥！帰ったら聞く！また感想言う！」



『うんっ、じゃ！また学校で』


え。まさか、わざわざ、これのために？



「うん！ありがとう！」


颯爽と歩いていく橋口さんの背中が小さくなるまで見つめていた。










「え？！何？！ヤバ‥！！」

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