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「深澤?!起きた?!大丈夫?!」
「‥俺‥」
目を開けると、完全に保健室と一致している光景。あれ?ホールは‥?
「ここ、ホールの医務室。深澤が脚立から落ちたって、はっしーから聞いて」
心配顔の佐久間がおでこに手を当てて、熱を測ってくれている。しかし、その心配そうな佐久間から何気なく発された言葉で、俺の頭はすでに覚醒していた。
「え?!今なんて?!」
「え?脚立から落ちて」
「いや、そこじゃない!」
「え。どこ。はっしー?」
意味がわかっていない佐久間は困惑顔だ。
「橋口さん知り合い?!?!」
「あ〜うん、まあ、友達?」
「ぇえ!!!」
ガバッと身体を起こしてみたものの、キーンと頭に痛みが走る。
「あ、おい!まだ調子悪いんだからデカい声出すなよ!」
「やっばー‥」
「何?あ、てか、はっしーと同じクラスじゃない?」
「あ、うん、最近はじめて喋って‥め、めっちゃ‥かっこよくて可愛いよな‥」
「ぇえ!深澤!お前!」
何かを察した佐久間が言おうとした言葉を急いで遮る。
「あ、推し!推しな?」
「推し‥?」
「そう!まあ‥天下統一尊み秀吉って感じ?」
「え、ギャルなん?」
脚立から落ちて頭にイカれたか?!と更に困惑顔の佐久間。
いや、それで言うと脚立より前からおかしくなっている。
「いや、ごめん、調子に乗ったわ」
「‥とりあえずファンみたいなもんね。心配してたよ、はっしー。よそ見させちゃったかもー!って。」
何?!推しに心配を‥!
「まじか、切腹だな‥」
「やめろ!まじで!
お母さん深澤がおかしくなったー!」
佐久間が走って医務室を出ていってしまった。
そう、おかしくなったと思う。
ほんとに。今までの自分じゃないことくらいとっくに気づいている。でも、今はまだその現象が何かわからない。
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rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» ありがとうございます!★なんだかコメント届くたびに感激しております‥!また読みたいと思えるお話になるよう頑張ります♪! (10月16日 21時) (レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて - またまた失礼します!お話が無事に完結して本当に良かったです!おめでとうございます😊とてもいい感じで終わりましたね!最高です🎉これからも応援しています!! (10月16日 16時) (レス) @page38 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» いつもありがとうございます♡!物語は終盤です!もう少しお付き合いくださいませ〜! (10月15日 19時) (レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて - コメント失礼します!どんな展開になっていくのか、ハラハラ・ドキドキしてます♪更新応援しています😊 (10月15日 7時) (レス) @page35 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
rinao(プロフ) - 抹茶らてさん» 嬉しすぎます!✨現実世界にほしいですよね★一応出てくる場所とか、頭の中ではモデルあります😬✨コメントは暇がある時には書いてもらえたら嬉しいです😉 (10月4日 5時) (レス) id: 92299f2f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rinao | 作成日時:2023年9月26日 2時