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Watanabe side.
柳は、俺に興味がある。
「‥めっちゃ、パワーワード。」
『なにが？』
「えっ、別に？」
飲み物も飲み終わったところで、家に帰るべく、歩きだしていた。
LOVE？
LIKE？
それとも別の何か。
その興味はどこに繋がるんだろう。
『あ、肌の、家に来る日、来週の土曜日はどうですか？』
「お、おう、来週、行ける。」
本当、まったく。
柳は多分、俺の考えていることなんかわかってないんだろうな。もちろん、下心とかそういうことではなく。
『時間は〜』
「あー、」
夜だとあんまり良くない？
昼だと何時だ？
別にデートじゃないし、
「バイトとか、用事とかないの？」
『土日休みでなんもないで』
「そ、そうなんだ‥」
日曜日も休みか、
「‥じゃあ、夕方くらいから。で、夜、一緒に食べよ」
『いいねえーっ！楽しみやなぁ』
「お、おう。」
‥目黒蓮の影響じゃなかったわ。
俺、柳のこと、確実に気になってる。
なんなら、
この無邪気な笑顔すら、自分にだけ向いたらいいのになんて思っちゃってる。
これが、恋なら。
あの日から化石になった俺の人生が
変わるかもしれない。
『別に隣なんやし、ここでいいよ』
「いや、あと10歩」
名残惜しいのは俺だけかよ、とか思いつつ。
『ありがとう。翔太って案外優しい』
「案外ってなんだよ」
『え。最初は刃物かと思ったで？』
「刃物‥」
『よし、ついた。ありがとう、またね』
「おう。」
エントランスを通って、しばらくして、三階の廊下に柳の姿が見えた。
思い出したように窓の外を見て、俺がいることに気づいて手を振った。
「‥柳おやすみ」
自分の気持ちの変化についていけない。
でも、柳がめちゃくちゃ良いやつで。
可愛くて、面白い。
手離したくない。
それだけが頭をぐるぐる回っていた。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月23日 20時
