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Watanabe side.
‥‥‥
で、口が滑り、やらかして今に至る。
目黒蓮の熱い気持ちに影響されたのか、俺。
いや‥
『し、翔太‥？』
「あー、えーと。とりあえず、座ろ、あ、眠い？疲れてる？」
普段は少なくしている口数が、
柳には勝手に溢れてくる。
すでに雪坂第二公園に差しかかるくらいまで歩いてきていて、このまま分かれるのはちょっと良くないというか、
柳を引き止めるために、一番ましな方法。
『大丈夫、座ろ、』
飲み物を買って4人がけのテーブルタイプのベンチに座る。隣に座るタイプのベンチがあんまりないから困る。
「‥ふぅ‥」
『雨、すっかり上がったね、あんなに降ってたのに。』
違う話をわざとしてくれる柳。
「佐久間がこのくらいの雨なら行ける！って、走り出して3秒後にゲリラ豪雨みたいになったから。」
『ふふっ、さっくんっぽいわ、
翔太は巻き込まれたんやな。』
「まあ、」
楽しそうで何より、と笑う柳に、俺楽しいって言ってないんだけど。って思いつつ、
今日を振り返ると案外楽しかったんだ、と気付いた。
『あの、翔太。』
「うん」
『別に、
興味はあんで。』
「え？」
『いや、さっきの。興味あるなしで言ったらある、興味。』
「そ、」
そうな、の‥？
ぐえ？！ぇえ？！
まじ？！
『うん』
薄暗いなかで、外灯に照らされている柳の表情はあまり読み取れなかった。
「それは」
『でも翔太ってそういうの嫌なんやろな、って。わたしが翔太に興味がないと思ったから友達になれたわけやろ？』
それは違う、けど。
『だからどうしたらいいんやろって。もっと翔太のこと知りたいなと思ったり、でもそれは友達としては良くないことなんやろなって思ったり。』
わからへん、ごめんなあ？嫌やんなあ？と申し訳無さそうな声を出す柳に、
心臓辺りがギューッとなる。
言葉で伝えたいけど、うまくまとまらなくて。
「あ、の」
『‥うん』
「柳の、興味は迷惑じゃない。全然」
『え？』
「むしろ、逆」
『逆…』
「もっと、あの、
知ってほしいと言うか、
知りたいと、言うか‥」
『‥、そ、そうなんや、なんか照れるって、その顔あかんで！』
「どの顔？！」
『自分がどんな顔してるかわかってるん？反則やで、ほんまっ』
自分がどんな顔したかわからない、
「ご、ごめん？」
『いや謝らんでいいけどな？』
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月23日 20時
