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「えっ、いいの？」
パァッと明るくなった顔。
あれ？体調‥？そう思いつつも、お腹が減っているのは事実やと、心配になる。
『え、だって倒れたら、困るしなあ‥
どうぞ、その、大した家ではないけど、』
こうして約束の土曜日を待つことなく、翔太を家へ招き入れることになった。
「お邪魔します‥」
『好き嫌いある？』
「そんなにはない。かも。」
玄関を通り、カウンターキッチンになっているワンルームへ。ローソファとテーブル、少しだけ奥まったところにベッド。大学生にはありふれた間取りやと思う。
「‥」
『あんまり見ないでくださいっ』
「ああ、ごめん、」
ぼーっと辺りを見回す翔太。
別に恥ずかしいものはないけど、
何か変なとこあるんじゃないかと、そんなに見られたらビビっちゃうで。
『ここ座っといて、はい。とりあえずお茶。』
「ありがと。」
いつも座っているローソファーに案内し、お茶を出す。
『スンドゥブにしようかなと思ってたんやけど、いける？』
「うん、辛いの結構好き。」
『おっけ〜』
キッチンに戻り、野菜を切っていると、カウンターから翔太が顔出してきた。
『なっ、‥どしたん。』
「あー、暇だから。作ってんの見ようかなって。」
『あっはは、そこは手伝う、じゃないんやなっ』
「言っとくけど俺めっちゃ邪魔だと思う、」
『ふふ、邪魔ならいらんな、手伝いは』
素直で面白い。
「だろ？」
『普段人が遊びに来る家じゃないからちょっと違和感あるわ』
「誰も来てないの？」
『あー、おハルくらい？』
少し考えて答えを出す。
「目黒は？」
『え？！なんで、めめ？家知らないと思う。多分。』
「ふーん。」
『翔太は？』
「ん？」
『うーん、そういう人、いないの？』
なんて表現したら良いかわからないので、そういう人、と少しだけ濁した言い方で質問してみる。
「いない。
今までは‥異性と異性が絡んだ男もしんどいしかなかったから。」
だから、阿部ちゃんだけ。と、言った翔太だけど、
今までは、ってことはゼミのメンバーには少し心を開いているんかな。
そして、そういう人、つまり彼女もいない。
いや、別にそれを聞きたかったわけではないんやけど！
『そっかー。かっこよくて人気なのも大変なんやろなあー』
自然漏れ出したわたしの言葉にびっくりする翔太。
「えっ」
『え、何？』
「か、かっこいい？思ってんの？」
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月23日 20時
