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「ん、ん？！」
『んまー！』
「ん〜！♪」
『照‥』
「やなぎん」
『「‥」』
無言でグータッチを交わした私たち。
もういつの間にか無言がちょっと気まずいとかそんなんなくなってて。
「あっはは、やなぎん本当に面白いっ」
『いやいや、照やでっ』
めっちゃ楽しくなっていた。
「なあなあ‥彼氏、ほしいとかないの？」
案外、照は恋愛の話が多かったりする。
ガトーショコラにナイフを入れながら質問を受ける。
『え、彼氏？んー、まあ、縁があれば？』
別にトラウマとか、苦手とか、そんなのはない。
単純に元彼と別れてから出会いはなかった。
正確には多分あった、けど、
その縁に気づいていなかったのかもしれない。
「じゃあ。立候補、しようかなあ」
『‥え？』
え？
「冗談じゃないからね。本気。」
『へ‥、』
スイーツに向けていた視線がこちらを向いていた。
少し困ったように傾げた首と優しいほほえみ。
控えめな物言いと優しい顔だけど、
これは冗談ではないことはわかる。
「縁があれば、ね。
縁ってさあ。」
『う、ん』
「本当に縁がある人とは何度もチャンスが巡ってどんな形でも必ず近づくし。
縁のない人とは何度もまわってくるけど、どの回でもすれ違うんだって。」
ぐるぐる回るチャンス。
交差するタイミングが合致する瞬間、それを人は縁と呼ぶ。
縁がない人とは何度ぐるぐるしても
交わることがないんや。
『‥』
「だから、この先過ごしていったらわかる。
俺らに。縁が、あるといいけどっ。」
縁が、あるか、ないか。
「返事はしなくていいし。意識はしてくれたらいいなと思うけど。別に気まずくなったりとかはしなくて大丈夫。」
『あ、うん』
「これから、仲良くしよ、って話。」
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月23日 20時
