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翌日、講義が終わって門の前で照と待ち合わせて、スイーツショップに向かう。
『待たせてごめんな〜』
「大丈夫。お疲れ様。」
どうやら講義があったのはわたしだけらしく、門の前にある縁石に腰かけた照が、ヒラヒラと手を振っていた。
『駅の反対側なん？』
「うん。やなぎんってそっち側あんまり行かない？」
駅から大学までの15分圏内がわたしの行動範囲で。
駅の反対側のほうが栄えているのは知っているけど、こう、誘われたり用事がない限りは行くことはなかった。
『うん、行って駅前までやな〜家もこっち側やし。』
「そっかー。」
無言になると、少し話題を探すのに時間がかかってしまう。
照とは個別で話した回数はまだまだ少ない。
今日でもっと仲良くなれたら良いんやけど。
『ダンス部忙しそうやんな。部長なんやろ？』
そう、さっくんが言ってた。
「そうそう。結構部員がいるから大変かも。でもまあ、楽しいけど。」
『あれ？じゃあ女友だち‥』
いるのでは？
当然、部員には女子もいる訳で。
身長が高くて、スラッとしていて、
こんな笑顔で笑われたらギャップでキュンとしちゃうような人ってたくさんいると思うんやけどな‥
「あー、部内でそういうの、俺は嫌でさ。」
『紳士‥？』
「いや、そんな良いもんじゃないかも。トラブルとか面倒だなあって先輩たち見て思ってただけで、周りを思って、とかそんなんじゃないから。」
自分優先の理由。って、笑いながら言ってる照やけど、
それそのものが周りを思ってるんやと思うけど‥
そういう、いろんなことを大切にしているんやろうなこの人は。と、思った。
「やなぎんは？部活とかサークル、入らなかったの？」
『わたし、小中高と結構強豪の吹奏楽部にいてんけど、終わったらやっぱり燃え尽きちゃって。』
「すごい、吹奏楽って大変だよな。」
『まあ、わたしが強いわけちゃうんやけど。
そんな感じで軽音サークルに入ったら、思ったよりもだいぶ恋愛に寄ってる感じで。』
「あー、なるほど」
『音楽性の違いやな、つまり。』
「やべー、かっこいい、芸能人みたいっ」
クスクスと笑う照。
『それは冗談。だからバイトに切り替えたって感じやなあ〜』
「そっかー、みんな色々あるよなあ」
『みんな？』
「佐久間。めっちゃダンスで有名だったけど辞めちゃったし。翔太はバスケ部だったし。」
さっくんのことは聞いたことがあったけど。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月23日 20時
