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『あー。今日めっちゃ暇やん、どうなってんの、』
店潰れんじゃないの？って言いかけたら、店長が買い出しから帰ってきたから、すっと引っ込めた。
「おい、今とんでもねーこと言おうとしただろ。」
『樹。気の所為やで。』
「やっぱり梅雨だと客足落ちるらしいね。」
『おー、めめは答えを知ってたんやな、この暇の答え。』
拍手をするとめめは満更でもなさそうだ。
「え、まあ。」
「なんで照れてんの？」
「照れてねーし。」
6月に入った。
アルバイト先であるシーフードStyleは暇すぎて、ほんまに大丈夫？って言いたくなるくらいで、
「テスト勉強してる？」
『まだ。』
「やってる、俺は人よりはやく初めてやっと同じくらいになるから。」
『えー、めめ偉いなあ』
箸を並べてまた蓋をする。
爪楊枝を満タンにする。
もう一回だけ、全調味料の入れ物を丁寧に拭く。
全部3回目。
暇を持て余して、店中掃除しながら雑談をする。
同じくアルバイトの樹とめめも重複してやっている。
「そういえば、合宿どうだったん？」
『あー楽しかったよ』
「渡辺翔太、同じゼミなんすね。」
『そうそう。びっくりするよね。』
そうだそうだ、飲み会をした時にゼミメンバーに会って以来の３人か。今日は。
「やっぱ近いと更にかっこいいの？」
樹のテキトーな質問に笑いが出る。
『あっはは、いや、近いとか関係なく整ってるんじゃない？』
「柳、ホントに女子一人だったの？！」
『うん、だったね。』
「えっ？！それってどうなん？！」
めめが布巾をバンッと跳ねさせるように机に手をついた。
『どうなん、って言われてもなあー』
「嫌なこととか『ないない。みんな適度な距離感。』
カランカラン
「『「いらっしゃいませー！」』」
8時を回ってようやく１組目。
金曜日だっていうのに。
外はかなりの大雨だった。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月23日 20時
