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「女の子が渡辺翔太が来るタイミングで
わざと落としたのを見たからですよ！
やばくないっすか？！」
『ひえ〜！』
「そ、それはやばいな。」
ヤバすぎにより語彙が失われた。
「でしょ？
そんで、拾ってくれたってことはわたしにもチャンスありますよね？！って詰め寄っていってて‥。
怖かったですよ、渡辺翔太って大変だな、って。」
『つまり、優しさすらも発動できないんやな。』
だからあんな全方位に敵がいるみたいに威嚇してたんか‥。
「彼女とかどうしてるんだろ。」
『そんな状態じゃ、女は受け付けなくなりそうやしなあ。』
現にそんな感じに見えたし。
「俺なら全員と遊んでみるけどなー。」
『はいはい、樹はな。』
「えっ。ひっど！柳！ひっど！」
『うるさいうるさい。』
「なんかでもそういう苦労してる人って幸せになってほしいよな、」
『ほんまや。』
そのめめの言葉に妙に納得で。
ピリピリせんと、仲良くする方法考えるか〜。と思ったけど、
でも、あんな狂犬みたいな威嚇、そもそも向こうがその気じゃないと言うことなんだろう。
「あれ、話してる間に10時すぎたやん。」
『あ、ほんまや。』
厨房にいる店長に聞いてくれた樹から終わりの合図が出た。
「本当に。真の暇、って感じだったな。」
『真の、ってなんやねん』
「かっこよくない？」
『良くないな。じゃ、お疲れ様ー』
いつも通り制服をロッカーに戻して、髪の毛を直して、カバンを背負う。
さーて、帰りましょうか。
今日は金曜日。
なんでこんなに人がいなかったのかわからなかったけど、みんなと話せたからまあ、いっか。
たまにはコンビニでお酒とおつまみ買っちゃえ！
そう思えば軽快な足取り。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月1日 9時
