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ゼミの日がやってきた。
あれから2日？か。
いやー、この間はちょっと、ほんのちょーっとだけ言い過ぎたかな。と、時間を追うごとに反省していたところ。
『謝るべきか‥』
少しだけ重い足取りで研究室に向かう。
『おはようございまーす』
室内にはすでに渡辺翔太以外のメンバーが集まっていた。
「おはよー」
それなりにみんなと挨拶を交わす。
「柳さん、呼んだらいい？俺はさっくんって呼んでくれたら嬉しいっ。」
そうニコニコしながら話しかけてくれる。
ピンク佐久間改め、さっくんは会話の始まりを作るのが上手だ。
みんなが何かしらさっくんを知ってるっていうのもなんか納得できる。
『あー、柳とか、あとは下の名前やなあ、』
「じゃあぁぁ、
‥やなぎん♪可愛くない？なんか髪の毛柳みたいだし。」
『え、待て、ディスってる？』
「褒めてる褒めてる！あれ？俺ミスってる？！」
焦るさっくんに阿部ちゃんが言う。
「めっちゃミスってるよ、めっちゃ切りっぱなしボブすごいね。」
『前は長かったんやけど、鬱陶しくなって‥』
「えーロングのやなぎん見たかったかも！」
ふっか氏は女扱いに慣れているのか、さらりとこういうことが言えるタイプらしい。
『いやこれにあと20センチ位足しただけやで。』
「言い方！」
『みんなのあだ名とかも教えてほしいな。』
みんなから呼ばれているあだ名を聞いて、やっとみんなのことを呼べるようになる。
『じゃあ、さっくん、ふっか、照、阿部ちゃん、舘さん‥？』
「やっぱ呼び合うと途端に知り合い感出るよな」
照、ほんまそれ、同意。
やっぱり呼べないと話しかけにくい。
「そういえば、渡辺は？」
照が阿部ちゃんに向かって話しかける。
「あー、なんかコンビニ寄ってから来るって、もう来るんじゃない？」
はて、渡辺翔太はなんて呼べばいいんだろうか。
みんなに聞いてみるか悩んでいると、扉が勢いよく開き、渡辺翔太が入ってくる。
さっきよりも少しだけピリつく室内に、
こんな空気を作り出す渡辺翔太に、一体なんなん？と言ってやりたい。
「おはよー翔太。」
「っはよ。」
阿部ちゃんすごいな、空気に耐え抜く力‥。
え、チラリと見たよな？今。
何か言ってくるかと思えば何もなく、雪貞先生が来て時間がスタートする。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月1日 9時
