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「柳ー、あがってー。お疲れー」

厨房から声がした。





『よっし、おつかれー!』

「おつ」

「お疲れ様ー。」

店長の声かけで解放されたわたしは着替えに戻る。






10時20分かー。

今日はファミリーが多くて、みんな短時間が多かったから助かった。

結構早い時間やし、帰って、動画でも見ながら資料作りたい。





そう思って、

店のドアを開けると、商店街の真ん中においてあるベンチと植木の向こう側、つまり向かい側の店の扉がほぼ同時に開いたのが見えた。




あそこって、カフェだっけなあ。

めちゃくちゃ人気らしい、なんか行列とか出来てる時があるけど、残念ながら一度も行ったことがない店。



何気なく開いた扉を見つめていた。














『‥えっ、』


「‥あ」















『渡辺翔太‥?』

「‥」






そこには渡辺翔太がおって、

わたしと全く同じ感じで、わたしを見ていて。





あんまり喋りたくないけど知り合いだからな‥。





『お疲れ、バイト?』

「そうだけど、何?」



なんやねん、


『な、何って。知り合いやったら挨拶もするし、いたら普通に聞くやろ。』


「いや、偶然とか普通ある?

お前もどうせ写真とか狙いだろ。ゼミも狙ったわけ?」




狙い?って何?




『はっ?‥自意識過剰やろ』

「は?」



『いや、どんな目にあったか知らんし、氷の王子とか呼ばれてなんか不憫やなあ、位には思ってたけどな。



みんながみんな良いと思ってると思うなよ、アホ!!

少なくともわたしは!タイプじゃないし、ほんでもって性格悪すぎるやつを狙う筋合いもないわ!』



「な、‥!」




『お疲れ!!!』




そう言って家の方に向かってずんずん歩き出す。





昨日から態度は悪いなと思ったけど。

まさか自意識過剰の方だったなんて。





まあ、確かにかっこよいとは思うで。


適度に遊ばせた髪の毛にフープピアス、

鼻筋と白い透き通った肌、甘い目つき。



多分黙っていても女子は寄ってくるやろな、




でも!



まじであんな性格悪いやつに会ったことはない。これだけは断言出来るわ。

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設定タグ:SnowMan , snowman , 渡辺翔太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:rinao | 作成日時:2024年3月1日 9時

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