46 Watanabe side. ページ47
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Watanabe side.
ふわふわと浮いてて、雲に乗る夢？を見た。
柳が
持ってる雲をひとつわけてくれて、
あ、夢の中ではもう俺らって仲良いんだ、みたいな。
‥ハッと目を開ける。
やっぱ夢かよ。雲に乗るわけないわ。
「‥5時」
‥あ、そうだ。
合宿中だった。
自分の慣れ親しんだ天井じゃないから、ちょっと焦った。
柳と同室3日目。
ある意味、慣れたのかよくわからないけど、今日は一段と柳の匂いがする。アプリコットみたいな感じの甘く爽やかな匂い。
寝息が聞こえるからまだ寝ているんだと思い、身体ごと柳の方を向く。
「‥」
‥なんでブランケット？
柳って小さいからブランケットも布団くらいなサイズに見えてるけど。
モゾモゾっと動いて、小さくまとまっている。
本当に小動物なんだよな。
もう少しだけ、近くで見たいと思ったけど、喉が乾いたことに気づいた。
手を布団について起き上がろうとして、視線を布団に落とす。
‥あれ？
なんで、
下にも布団？
「っえ！」
嘘、え？
『っ‥ん〜‥あ、しょた、おはっ』
俺のどデカい声で柳が目を覚ましてしまった！
待て、寝起き可愛‥めっちゃ髪の毛変な方向に曲がってるし！
「いや、違う、ごめ、柳っ、俺、布団うばった？！」
癒やされてる場合じゃなくて、俺が柳の布団を着てた理由！
『‥布団の上で寝てたから、
短パンだし寒いやろうなあって。』
モゾモゾしながら起き上がった柳は完全に目覚めたようだ。
「へ、まじか！」
『まじまじ』
「ごめん！！！」
ある意味奪ったよりも質悪いじゃん…！
『いや、大丈夫、ブランケットあったし』
あっけらかんと言ってるけど！
「いや、いやいや」
だからか！柳の匂いの夢！
そうなるとアワアワと焦る、これ、柳が昨日かけてた布団なの？！変態か、俺は！
『まあ、まあ、でも、そんなおっきな声出るんやなー』
いいもん聞いちゃった！と、ニッコリ笑う。
「‥声くらい出せるしっ！‥顔洗ってくるっ。」
恥ずかしくなって部屋を出る。
あーもう。なんか色々と恥ずかしい。
髪の毛をワシャワシャと手でかきながら階段を降りる。
てか。
柳、いいやつじゃね？
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月1日 9時
