45 Your side. ページ46
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Your side.
下心なしで家に遊びに来たいって言う大学生っているんか？
って話で。
実際は下心だらけ、というか、なるようになりました、的な話は何度も友達から聞いたことがある。
全然そんな気なかったんだよ？！ってみんな言ってるけど、いやいや、そんな訳ないやろ、と心の中で何度も突っ込んできた。
しっかし‥
これほどまでに。
絶対に、本当に、わたしに対して
下心も興味もあるわけない訪問があるか？
おそらくまじのスキンケア目的の訪問。やから断る理由も見つからなくて。
『またバイトの日確認して言うな。
えっ、もう0時やん。寝なきゃ、』
「あ、ホントだ。」
『ちょっと、下に行って水とってくる。気にせず寝ていてな。おやすみ。』
流石に同じタイミングでベッドに入るのは気まずすぎるので、水を取りに部屋を出た。
‥‥
「あ、やなぎん。」
『阿部ちゃん、まだ勉強してるん？』
「うん、みんな寝ちゃったから。やなぎんは？」
『あー、一緒のタイミングで布団に入るとか恋人やん。流石に。』
だから水取りに来た、と報告すると、
先程までの明らかな警戒の呪いが解かれた阿部ちゃんが、セットしていないサラサラの髪の毛の間から、柔らかな笑顔を覗かせた。
こんな風に笑うんやな。
阿部ちゃんの素敵な笑顔はずっと奪われていたんやと思うと、少し胸が痛んだ。
「ん？どうかした？」
『ううん。仲良くなりたいな、
もっとみんなと。』
「‥みんなね。うん、そうだね。」
『じゃあまた明日、おやすみ。』
「おやすみ。」
部屋に戻ると
翔太が寝息を立てていた。
おい、布団の上で寝てるやん。
『‥寒いやろ‥』
5月に入ったとはいえ、夜は気温がそれなりに下がる。
しかもなんでかわからんのが、下がハーフパンツで。
ブランケット‥
いや流石に小さいか。
いくら男性の中では小柄な方に入るとはいえ、わたしよりも頭ひとつ以上は大きいし、わたしがくるまってちょうどいいんやから無理やな。
考えた結果。
『‥これで我慢してや‥』
電気をすべて消して
ベッドの反対側に横になった。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月1日 9時
