42 Abe side. ページ43
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Abe side.
どうせ翔太の話だろうな。
結局、今までの女の子たちと変わらないんだ。と、がっかりした。
あんまり強く言ってゼミに来なくなっても困るし。さて、どんな加減で行くか、悩むな。
『お待たせ。はい。』
「何？」
『え、ブランケットやけど。』
「？」
『まだ夜は冷えるし、男の子も冷やしたらあかん。お酒も飲んだし。』
そう言って大判のブランケットを手渡す。気づかいが出来る人なんだ。
「ありがとう。」
『うんっ。』
「‥話、って？」
『あー、あの、非常に言いづらいんですが‥』
隣に並んだやなぎんは少しうつむいている。
それすら綺麗だな、と思えるくらいに美人。
『ちょ、ちょっと待って、心の準備がまだ、』
はやく言えよ。そう思ってイライラした。
「もう、言っちゃっていいよ、こういうのよくあるし。」
『‥え、よくあるの？！』
「うん、だからさっさと終わらせたいし。」
『へっ、そ、そっか、ごめん。』
「で？」
『阿部ちゃんが怖い、です‥
仲良くなりたいけど何考えてるかわからん。行動読まれてるみたいで緊張する‥！
はっ！別に怖いって、その、ストーカーとか、こっちが自意識過剰とかちゃうで？！
あ、どうしよ、傷ついた？！ごめんな？！』
「‥へ」
いやなんか思ってたのと違う、
『え、ごめんなあ、絶句するほど嫌やった？！どうしよ、一発しばく？しばいても解決しないとは思うけど気が済むなら！』
頭を差し出すやなぎんにこっちが焦る。
「いや、しばきなしないけど！えーと。‥そ、それだけ？」
『え？！そう、やけど‥？』
きょとんとする、やなぎん。
「‥ごめん、てっきり翔太のことかと。今までみんなそうだったから。なんか、ごめん、冷たくして。」
『いや、それは‥大丈夫。
わからんけど、阿部ちゃんずーっと気ぃ張ってるって思ってた。だから、敢えて触れるけど。
わたし、翔太のことで阿部ちゃんに聞きたいことって今はないし、これからもないと思う。
これからも仲良くしたいからこそ、聞きたいことは本人に直接聞くよ。
‥確かに、翔太が人気あるのはわかる、初めて見た時、びっくりした。
やけど、急に色恋になることはないとも思う。もしも好きになるなら、ちゃんと中身を見て好きになりたい。
だから、阿部ちゃんが心配するような危害はないと思う、もしあったら叱ってほしい。』
「やなぎん‥」
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月1日 9時
