38 Your side. ページ39
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「2日目、お疲れ様でしたー!」
『「「お疲れ様ー!」」』
さっくんのかけ声とともに、グラスがぶつかり合う音で2日目の宴がスタートした。
昨日から舘さんが漬け込んでくれた肉。庭でバーベキューをすることになり、さらにテンションが上がるみんな。
「みんな課題進んでる?」
「うげーっ、阿部ちゃん、よくも乾杯直後にそんな話入れてくるな!」
酒が不味くなるぞ!とふっかが言う。
「ごめんごめん、みんなどんなもんなのかな?って気になっちゃって。」
夕飯でしか全員で集まらないでしょ?と言う阿部ちゃんはビールをぐいっと飲み干した。
「結構ざっくりしてるんだよな、住みやすい建物って。あ、肉うまっ!味付けやばっ!」
いつもキリッとしている照が綻んだ顔をするから今取り組んでる課題の話のはずが、お肉が気になってしまう。
「え、俺も!うん?!うますぎるー!
俺ふぇおふぉのふぃふぇ‥」
『さっくん食べ終わってからしゃべりや。人によって違うもんね、住みやすさの基準。
いただきますっ!‥おいしい!舘さん!‥すごいっ!』
肉の繊維が解けるほど柔らかくて、びっくりや。
「ありがとう。みんなに言われると自信湧いてくる。
ちなみに俺は決まった。ロイヤルな感じにする。」
「ロイヤル…?」
どの部分を‥?ふっかの小さい声。
『そっか、家って思ってたけど、別に建物やから、一般住宅じゃなくてもいいってことやもんな。
わたしは採光メインで考えてる。』
明るい雰囲気の家。
「光の取り方って結構重要だもんね。俺は自然共生住宅かな。翔太は?」
阿部ちゃんはSDGsを意識した住宅を中心にピックアップしているらしく。いつも意見が勉強になる。
「あー、縁側?」
「縁側!渋め!めっちゃ良いじゃん!」
さっくんの声に少し微笑んだようにみえた。
「そういえば、やなぎんって彼氏いるの?」
『え、照、酔っ払ってるん?』
さっきまでの勤勉な会話がお酒が進むにつれてなくなっていき、話題は何故かわたしの恋愛に。
「まあ、酔っ払ってると思ってもらっても。」
すんっとした顔をした照。しかし目線はこちらを向いていた。
『えっ、いないよ。』
「え!可愛いのに!」
「佐久間言い方、やなぎんだって気持ちがあるし可愛かったらいる、ってのは偏見。」
『舘さん、ありがと。
今まで恋愛はもういいかもって思ってたんやけど。最近はどうなんやろ、自分でもよくわからなくて。』
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作者名:rinao | 作成日時:2024年3月1日 9時