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部屋割り問題は、あとから考えたら
まあ‥翔太にとってわたしは多分、こけしくらいのもんやから、って感じで。
他の人なら少し意識したかもしれないけど、翔太のあの芸能人みたいな騒がれ方を見たら、わたしなんてアウトオブ眼中やろ。
別になんにも起こるわけないから、わたしも気にせずいこうと思えた。
「では！雪貞ゼミにかんぱーい！」
『「「かんぱーい！」」』
金曜日。
わたしが働くシーフードStyleにて、雪貞ゼミ初めての親睦会が行われた。
「お待たせしましたー、刺し身盛り、たこの唐揚げ、シーフードStyleスペシャルですっ」
『あ、樹ありがとう〜』
「ゼミメンバー？」
めーっちゃ盛り上がってんな、と樹に言われ、横目で見ると、個室で良かった‥と、思うくらいにはうるさい。
『そう、ごめんね。今日はお世話になりますっ』
「飲み過ぎんなよ？」
ひとりで帰れなくなったら言えよ？と、樹は普段ふざけてるけど優しいところがある。
『はーい。ありがとう。』
「ビール3つおかわりで！」
「はい毎度ー！」
ふっかの注文に条件反射で言葉を発した樹が個室を出ていく。
「ここめっちゃ料理おいしいね。」
『でしょ、うまいんよー！』
なんたって店長自慢の料理だ。まかないですら最高。舘さん味のわかる男やな。
「バイトのやつ見たことあるわ〜」
『照知り合い？雪大の経済だよ？たしか。』
「あーだからか。」
「おまたせしましたー、生です。」
「あ！目黒蓮！」
さっくんの叫びに全員がめめを見る。
「こんちわっ」
「相変わらずかっけーなあ、おい」
「あざっす、
え、ゼミ？」
『うんっ。』
「いいっすね。楽しんで。
‥柳。」
『ん？』
「飲み過ぎたら駄目だよ。」
『ん？！う、うん。』
頭に手が当たって、めめを見上げる。
ニコッと笑って個室を出るめめ。
今、叩かれた？
「ひゃっ！今見た？頭ぽんってしたよね？！」
「え、付き合ってる？！」
『いや、ないない！』
「えー？！今のなんか、なあ？」
「あれはなんか含みあったな。」
『んん？ないと思うけど。』
頭上で何が起きたか見えないから、普通に叩かれたのかと思ったけど‥。
「にしてもかっこよかったなー！」
またわいわいと始まる会話。すでにみんなほろ酔いになっている。
しばらくして、じと〜っとした目線が
こちらに向けられているのに気づく。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年3月1日 9時
