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「はいっ!立候補!」
すかさずふっかが手を上げて
「却下!」
さっくんが却下する。
「なんで?!」
「端から下心あるやつはだめだろ、普通に。」
腕を組んで照が言う。
「じゃあお前らなあ!
やなぎんと一緒になって正気のまま自信あるやついるんだろうなー?手あげろよ!」
‥。
しーん。
『えっ』
ちょ、ちょ、どういうこと?!
「いやーねえ?それは、まあなんとも?」
『え、阿部ちゃん?』
今の阿部ちゃん?!
「まあ?佐久間さんだって男ですし?」
絶対とは言えないかな?と。
「まあ、嫌がることはしたくないよね。」
舘さん‥
「自信はないけど、大丈夫。だと、思う。けど‥」
照、自信‥?
『いやいや!みんなちょっと、わたしやで?
冗談やめて〜、』
「やなぎん。
悪いけど、結構俺ら本気でやなぎんのこと可愛いと思ってるんだからな?
やなぎんも気ぃ抜かないように。」
『えぇ?!なんの気?!』
みんなが頷く。俺らみんなやなぎんファンクラブだから!とか言い出す。わたしは思い当たらん話でただただびっくりする。
「で?
なんにも答えないそこの渡辺翔太、お前はどうなんだよ?」
「お、俺は‥俺は別になんもねーよ!」
こんなちんちくりん!と、言う翔太。
『あ!わるっ!』
なんにも思わなくていいけど悪口言わんでええやん。
「ほんとのこと言っただけだしっ。」
『あーそうでっか。』
「じゃあもう翔太でよくない?」
「えっ」
「そうだねぇ、俺らは無理そうだから、大丈夫な翔太が適任だ。」
阿部ちゃんはうんうん、と頷く。
「え、ちょ」
「はい、決定でー!」
ハイ拍手、とふっかが言って、うちら二人以外は拍手をする。
『えー、悪口言うやつ、やだー』
「嫌になったら俺の部屋来いよっ。」
『ふっかの部屋だけは行かないと思う。申し訳ない。』
「えー!来てよ!なんで!」
『なんだろう、なんか嫌。』
「ひどい!今の悪口ですよね?!」
わちゃわちゃとやり取りをするみんなを見ていると、
あれ、これってもしかして‥?
翔太ができるだけみんなと馴染めるようにしてくれた、とかなのかな。と、思えてくる。
うちらが仲良いかと言われると、普通に勘違いなんやけど、翔太が気を使わない相手がわたしだと思われているのかもしれない。
この部屋割り‥もしや、みんなに優しい…?
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作者名:rinao | 作成日時:2024年3月1日 9時