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『え、あ、そっか!
うちら7人だから、大丈夫やん。焦ったー!』
部屋の数が偶数だから勝手に全員ふたりかと思った、
‥え?いや、待てよ。
『ちょ、もう一回見せてっ!』
先程は覗きこむだけだった阿部ちゃんの持った用紙を、自分に引き寄せる。
「やなぎん‥」
『1.2.3‥?‥3部屋?ということは』
「そう、3人部屋と、2人部屋2つ。」
『ほなあかんやん!』
普通に部屋数見間違えてるやん!
「まあ、俺らはしかたないけど、やなぎんはなあ‥。」
『‥』
「まあでも遊びに行くわけじゃないから、部屋の変更とか難しいんかな?」
「ゆっきーに聞いてみる?」
スマホを取り出す阿部ちゃん。
待って、でも。
こんなんで騒ぎ立てて、この女めんどくせーみたいになったら、残り2年‥。
もちろんそんな人たちじゃないことはわかってる。
そして、ひとりしか女子がいないのは初日にわかってたことやん。
遅かれ早かれ男女の差で、生活上困ることもあるやろうなあとは思っていた。それがとんでもなく早かっただけ。
みんなに迷惑かけるわけにもいかないもんなあ。
「俺ら、3人部屋ふたつにしようか。」
舘さんの提案にみんなが頷く。
『ううん!ありがとう。
みんながちょっと嫌かもしれないけど、よかったらそのままで。
あの、誰かがわたしと一緒にはなりますが‥!』
よろしくお願いします!と、深めに頭を下げた、申し訳ないけど‥!
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作者名:rinao | 作成日時:2024年3月1日 9時