47 Sakuma side. ページ47
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あー。あれからAちゃんに会えてないなあ。
色々会って話したいことがあるのに。
なかなか時間がなくて家にすら帰れない。
日を跨いだらビジネスホテルに泊まる、これが問題なんだろうとは思うけど。
今のところこれが一番の対策だからしょうがないと自分に言い聞かせていた。
「佐久間さん。土日休みです。」
「え？！マジ？！」
元々YouTubeの撮影だったけど、他のメンバーのドラマ撮影とかの関係で別日になることがマネージャーから告げられた。
なんか1月長かったなあ。
「じゃあさあ、一杯だけ。飲んでかない？」
「いいですね！お付き合いしますっ」
マネージャーを誘い、久々の中華にお酒。
「じゃあまた月曜日。お願いしますっ」
「はい、佐久間さん。ゆっくり休んでくださいね〜」
そう言って、マネージャーに雪坂町のコンビニまで送ってもらったのが11時45分。
と、言って別れたものの。
「家に帰りたくはないのよ。」
コンビニで適当に徘徊して、水を一本だけ買って、家に向かう。
Aちゃんには出来れば会いたい。
でも、家に帰るとふとした瞬間に、色々思い出して怖くなってくる。
Maison雪坂＊は、前までのマンションと違って、知らない人の出入りがないし、そもそも外から見て人が住んでいるようには見えないから、大丈夫だと思うんだけど。
でっかい門の、人が通る専用のドアを開けてくぐる。
庭で、バーベキューとかしたいな‥。
願望だけはある。
途中の樹の下に、ベンチがあるので、少しだけ腰かける。
Aちゃんが初めて会った時くらいに言ってた、すごいきれいなピンクの桜、この木のことかなあ。
何もついていない木を見上げる。
そもそもこれがなんの木か知らないからなあ。
「あら？‥やば」
上を急に見たからか、すごく酔いが回ってきたのを感じる。
あれ、これなんか、やばいかも。
…早く家に入ろう。
そう思って立ち上がったところで、
記憶は途絶えた。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年1月19日 5時
