45 ページ45
.
『‥よいしょっ…』
ガガガガ…と音をたて、大きい門の人が通る用の扉を閉める。少し古くなっているので錆びついたような音がする。
ここは閑静な住宅街なので、こんな夜中に音を出すのは気が引けるんだけど。
時刻は1時。
前回の飲み会よりは早い時間の帰宅となった。
よし、今日は家でもういっちょ晩酌を‥
明日は土曜。るんるんだよーっ!
『ん?』
なにか黒い物体がある。
『え?!』
明らかな庭の異変に気づき、駆け寄る。
『さっくん?!』
「んん゙」
『え、大丈夫?体調悪い?!外だよ、ここっ!』
さっくんが横たわっている。
え…死、いやいや、
『ちょ、どうしよう』
息してるわ、良かった‥。
おでこを触るも、熱があるわけではなさそう。咳もしていないし鼻も大丈夫そう。
一体何があったのか、
『頭とか…打ってないよね‥』
反応はあったし大丈夫か。
頭の中では免許を取得した時の救急講習がぐるぐると流れている。
「眠‥」
『え、眠?!』
眠いだけ?!
『はい、支えるね、
ごめんね、触るよ。』
え…軽い‥?
肩を貸して体を起こすとふわっと軽くて。
『ねぇ、ちゃんと食べてる‥?』
支えた背中がかなり細いように感じる。
あんまり意識はないようだけど、なんとか101号室の前までは歩けそう。
『鍵、ある?さっくん。』
「んん゙‥」
『ごめんね、変態とかではないからね』
ポッケに手を入れさせてもらう。
うちと同じ形状の鍵が見つかり取り出す。
一瞬、周りを確認する。
ガチャ…
『お邪魔します‥』
靴を脱いで、奥まで歩く。
リビングの扉をあける。
『え…』
182人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:rinao | 作成日時:2024年1月19日 5時