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「で？！」
『え、で。
割れたワインの破片を回収してないことに気づいて！朝早いけど片付けたよ〜』
あれから三が日が過ぎた。しっかり目の寝正月を過ごして初出勤がかなり辛い。
「ちげぇ。」
『ひぇっ、麗ちゃん、口悪すぎるっ！怖いっ！』
あの日の出来事をざっくりと麗ちゃんに報告するけど、納得いかない様子。
「いや口悪くもなるわ！なーんであんたの割れたワインの行方が気になってると思った？！ちげぇ、その佐久間となんかなかったんか？！って聞いてんの！！」
『なんかって、だからそれで、ワインとケーキを見て誕生日じゃないか？って、プレゼント、もらって、』
「ぇえ？！」
『ね、ほんとにぇえ？！って。本当にもらっていいのかわからなくて。まだ開けてないんだよね。』
開ける勇気がなくて。
寝起きでボーってしていたり、部屋着を見られてしまった恥ずかしさで、断ることをせずに受け取ってしまったけど。
なんかやっぱりまずいんじゃないか…と、
二度寝をしたのち、紅白を見て、カウントダウンをするLIVEの映像を見つめながら考えていた。
「え、なんか怖い！」
『だ、だよね…新品未使用らしい…。で、結構たくさん持ってるって。だからあげるって。』
ガサガサと包み紙を開いて、出てきた箱を意を決して、開ける。
『うわぁ』
「こりゃあまた、」
『や、やっぱり返したほうがいいよね。』
「でも、あげるって言ったんだよね？ブランドだよね？」
指紋がつかないよう、薄いペーパーが乗せられたその先にクローバーをモチーフにしたピアスが光っている。
『あんまりブランドわからないんだよね、ボヌー…読み方がわからない…』
わたしは必死に読もうとしているが、さっさと麗ちゃんはスマホで検索をする。
「あ、あった、これだ。Bonheur。ボヌールだって。え？！待って、結構高いよ？！」
『麗ちゃん、値段は調べたらだめじゃ「いやいや！ほら！」
『ぜ、ゼロ一個多い、ね…返さなきゃ！
あ！昼終わる！じゃあまた、』
「また続きあったら聞かせて！佐久間が何者か気になりすぎるわ！」
『う、うん！』
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作者名：rinao | 作成日時：2024年1月19日 5時
