33 Your side. ページ33
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Your side.
さっくんが帰ったのはあれからしばらくしてからで。
阿部さんとご飯に行く約束をしていたらしく、しかもそれを忘れかけていて、アラームで気づき、慌てて出かけていった。
「じゃね！行ってきます！」
『あ、はい、いってらっしゃい。』
って、なんでうちから行ってんの？！
自分も送り出しておいてなんだけど、あの人やっぱり距離感とかおかしいんじゃ…？！
ひとりになっても、さっくんのニコリと笑った顔が脳裏に焼き付いていて、ふとした時にドキドキして今日はなんか変だ。
それを払拭するように買い物行って、作り置きして、掃除しまくって。
『テレビ。久々〜』
お風呂にゆっくりと浸かったところで時計を見ると、20時を回っていた。
明日も休みだし、久々にゆっくりテレビでも見ようかな。
“では、今年初めてのSnowMan、スペシャルメドレーです！どうぞ！”
『あ…。』
“♪〜”
『…ほんとにいる‥』
いや、いるよね。
テレビの真ん中でしなやかに踊り歌うさっくんを始めてみた。
白一色の衣装に映えるピンクの髪の毛。
たまにアップで映るきれいな横顔と、
ダイナミックなのに繊細なダンス。
キラキラした笑顔はすごくアイドルだ。
『…』
8分位のメドレーを、感覚では瞬きもせずに見ていた。
ゴクゴク。
とりあえず、ビールを飲み干す。
『…ぷはあ。
え、本当に同一人物？！』
我ながらでかいひとり言。
だって。
『‥待って
かっこよすぎるでしょ。』
隣人、とんでもない人なんじゃ…？！
今更ながら、めちゃくちゃ失礼なこと言ったりしたんじゃないかと焦りだす。
でも、
たぶんさっくんは、芸能人として見られたいわけじゃない。
最初から知らないわたしは、さっくんの話し相手としてはある意味ベストで。
『じゃあこれでいいのか。』
わからないけど、いい。良いことにしよう。
そう思いながらソファに倒れ込む。
『あ、』
さっくんのパーカーがかかっていることに気づく。
昨日、借りてから返すの忘れちゃってた。
そしてまた、昨日から今日のさっくん名場面が思い出される‥
『‥ぁぁあ！さっくんの破壊力すごい…！』
そうつぶやきながら、パーカーを洗濯機に入れる。
自分にちょっとでも隙間があれば、どんどんさっくんが入り込んでくる。何この現象。
このあと、布団に入って、ここにさっくん‥と、また悶絶することになる。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年1月19日 5時
